カテゴリー「文化・芸術」の14件の記事

2009.06.20

国立新美術館「野村仁 変化する相-時・場・身体」

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トルナヴェントでランチをしたあと、てくてくと六本木を歩いて国立新美術館に行った。Yさんも一緒に行ってくれた。

途中、偶然にも出雲大社 東京分祀の前を通りかかり、参拝。いやいや、この世に偶然はないっていうからね。必然よ。

お目当ての展覧会は、「野村仁 変化する相-時・場・身体」 知らない人だったけど、六本木界隈の美術館を検索して、開催中の展示の中で一番興味を引かれた。

野村仁は1945年に兵庫県に生まれ、京都市立美術大学を卒業。同大学専攻科修了後、放送局に勤務しながら現代アートの制作活動を続ける。手がける表現方法は、写真、立体、平面、インスタレーション、映像、本、譜面、CDなど多岐にわたる。現在、京都市立芸術大学大学院教授。ソーラーカーレースへの参戦を長らく続け、鈴鹿サーキットで優勝。自作のソーラーカーで、アメリカ大陸を横断したこともある。

そんな謎の人、野村仁。美術館の案内ページを見た限りでは、ネイチャー系の写真家なのかなあと思った。まあこれが行ってみてビックリ。写真にしろ立体にしろ音声にしろ、「こ、これは一体何!?」と人を戸惑わせる、偏執的なまでの視点とこだわりと労力のかけ方。よく見りゃ根底には独自の哲学が脈々と息づいている。

ものすごくアホらしいことにこだわっているかと思えば、一周して胸を突くような着地点がフッと落ちてきたりする。このタイムラグがエクスタシー。しかも考えてわかるオチではなく、感じ取ることしかできない。この男、ただものではない。かなりのド変態ではないかと思った。(もちろん賞賛の意味で)

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たとえば、最初に展示してある作品は、巨大な段ボールを積み上げただけ。この段ボールが重力と時間の変化によって変化していく姿自体がアートなのだそうだ。最終的にグズグズになってゴミ置き場にしか見えないような写真が飾ってあった。これでいいのか!? いいんだよな〜〜〜。

次の部屋は、月の軌跡を定点撮影して、五線譜に重ね合わせたプリント。そんな写真が広い部屋に延々と並んでいる。この譜面を音に起こした音声が部屋に流れていた。

聴いたこともないような音楽。ヒーリング音楽のようでもあり、ノイズのようでもある。この音が好きなのか、そうじゃないのか、自分で判断をくだせない。あまりにもカテゴライズできない未体験の音。こんな感覚、滅多にない。

その隣にあったのは、1970年代の録音テープ。3台のリスニングマシーンが置いてある。私が聴いたテープは、お笑い番組が流れている居酒屋で別の店に電話をして、バスでその店に向かうまでの音を延々と録音している音声だった。

隣のテープを聴いていたYさんに、「何の音だった?」と聞いたら、「銀行でお金を振り込んでる音」であると。顔を見合わせて笑ってしまった。面白すぎる。大真面目にそんな音を録音している70年代の男。でも聴いてみると当時の日常の空気が生々しく体感できて、なんだか体が熱くなるのだった。なぜ?

その次の部屋には、太陽の軌跡を一年間撮り続けて完成した、メビウスの輪のような渦巻き。これが立体作品と写真で展示してあった。神秘的といえば美しいけれど、この人の手にかかるとただ美しいだけでは済まされない何かが出てる。ヌンヌンと出ている。ひとすじなわではいかない。

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奥の部屋は、飛行機の翼に、宇宙からやってきた隕石が乗っかってる立体作品。その周辺に、宇宙の発生をイメージしたガラス作品。大きな花瓶のようなガラスの中に、きのこのように小さなガラスがくっついている。タイトルが、「宇宙はきのこのように発生したか」。誰に聞いてるんだ。私?

映像作品を上映するブースが2つあり、その一つでは1972〜1973年の街の光景を撮影したモノクロ写真を秒速2枚程度の速度で再生していた。いま目録を見たらこの映像作品は5時間あるらしい(笑) どうりでいつまでも終わらないと思ったよ・・・。

この写真がまた曲者で、露出も水平も何一つ合っていやしない。「写真を撮るときはテーマを明確に」なんていうセオリーもまるで無視。なんでこんなところ撮ってるの?と思うような、狙いのわからない写真。それが連続すると、その場、その時の現実感が雨雲のように広がってくる。晴れ間のようじゃなくて雨雲なんですが。

ずっと見ていたいような気もしたけれど、適宜切り上げて次の部屋へ。そこには1億年前の古木が化石化したものが置かれていた。パワーストーンなんてもんじゃない。すごいエネルギー。この人はどうしてこんなものを手に入れることができるんだろうか????

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続いての部屋は、「植物を育む言語又は'反照している'を見る」という作品。赤、黄色、緑、青・・・さまざまな色の光に照らされた植物の鉢植えが並んでいる。植物はどんな色が好きで、どんな色だとすくすく育つのか?という実験らしい。ダラーンと伸びきってる葉もあれば、ジッと固まっている葉もあり。キッチュな照明の色がたまらない。

最後には彼がアメリカ大陸を横断したソーラーカーの実物が展示してあった。ソーラーカーにロマンを持つなんて、ちょっと普通の人のようでもあり一瞬ホッとしたが、鈴鹿サーキットで優勝しちゃったり、アメリカ大陸まで横断しちゃったり、そこまでいくのはやっぱり普通じゃない。アーチストのお遊びレベルじゃなくなってる。

どこからどう切っても普通じゃない人。こんな人が生きていて、きっと今も何かにこだわり、芸術を作り続けていることに感嘆した。

このような、ある意味デンジャラスな展示を、たった千円で見ることができて良いのでしょうか。誰にでも無制限に。しかも国立の美術館で。世の中捨てたもんじゃないと思いました。

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2009.03.30

青山劇場で「カゴツルベ」を観劇。(熱く語りすぎ(笑))

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R001048501青山劇場に、「カゴツルベ」を観に行きました。

歌舞伎の「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」を題材にした新作劇。三世河竹新七が100年も前に書いた、300年前の江戸吉原を舞台にした作品を現代風に大幅にアレンジしている。脚色・演出は、少年社中の毛利亘宏。

大学時代に歌舞伎フリークだった私は、六代目中村歌右衛門が演じた傾城八ツ橋を何度か見ている。もう20年以上前の話だ。籠釣瓶というストーリーはかなり忘れてしまっていたが、歌右衛門が演じた八ツ橋の凄みは記憶の深いところにまざまざと残っている。

今回、カゴツルベを見て「こんな話だったかな?」と思い、家に帰って調べてみたら、やっぱりかなりアレンジされていた。現代風でドラマチック。山場がいくつも重なり、観る人を飽きさせない。

登場人物の性格や思考回路も、原作のドロドロ感を若干サラリと若い感覚に変えてあるように思った。昔観た籠釣瓶の、どうしようもなく重苦しい感覚を思い出した。あれは歌舞伎の俳優さんがやるからいいんだよなあ、きっと。

客席は、主演の安田章大さん(関ジャニ∞)のファンと思われる二十歳前後のお嬢様方がほとんど。見渡す限り、アラフォーは私しかいない(笑) しかし皆さんお行儀が良くて静かな方たちが多くて安心した。

私のお目当ては、傾城八ツ橋の間夫(秘密の彼氏)役を務める西岡徳馬さん。実力派で、セクシーで知的で、大好きな俳優さんです。

西岡さんの演技は非常に奥行きがあり、芝居に無限の広がりを持たせる。

その人物の人生の過去や、どんな時代に何を考えて生きているのか、その日その場所で何をしようとしているのか、一人一人の登場人物とはどんな距離感で何を思う関係なのか・・・。そういうディティールが、西岡さんのナリひとつ、台詞ひとつで全部クッキリ見える。

台詞を言っているときにも、その裏で頭に思い浮かべていることが、まるでテロップが出るように伝わってくる。彼が舞台裏にハケるときには、その先に建物や町並みが続き、夜が深まってゆくのが見える。こんなに表現力のある俳優さんを他に見たことがない。

しかもどんな役をやっても、人間としての色気が根底にある。簡単な言葉で言ってしまえば「魅力」。

今回演じた栄之丞という男など、花魁のヒモ同然のダメ男なのだけれど、ダメっぷりを滲ませるのと同時に、そんな彼に花魁がどうしても惚れて惚れて惚れ抜いてしまっている理由が確かにあるということを気配で感じさせるというウルトラ級の演技だった。それでいて重々しく芝居臭いわけでもない。若い世代の役者の多い舞台で、何の違和感もなく空気を共有していた。全く難しい役を軽々とこなす人だ。

そんな西岡さんにますますノックアウトされた私ですが(笑)、主演の安田章大さんの良さにも驚いた。

私はジャニーズのファンになった経験がなく、ジャニーズのタレントさんを全般的にあまりよく知らない。失礼ながら、安田さんのことも今回初めて知った。実力派の俳優さんたちの真ん中で、堂々たる主役ぶりだった。この若さでこれだけの存在感があったら、未来はもっと素晴らしいだろう。

歌舞伎では、見るからに気の毒な痘痕がボツボツと顔全体に描かれる佐野次郎左衛門の役だが、今回はトカゲのタトゥーのような美しいメイクが右頬に描かれていた。編み込みの髪型がよく似合い、ジャニーズとしての見せ方を知っている人ならではのダンスもかっこよかった。

傾城八ツ橋を演じたのは、モデル出身の藤澤恵麻さん。本当にお綺麗。歌右衛門の、お歯黒まっ黒で怖ろしいほど女の凄みのある八ツ橋とは全く別人の八ツ橋だったけれど、それが今回の八ツ橋なんだと思う。なんというか、現代人にも共感できるところを持つ一人の生身の女性としての、強さと悲しさを感じた。

今回の舞台に立った俳優さん、女優さんたちは実に見事な実力派揃いで、呼吸もカンペキ。テンポの狂うところがなかった。生の舞台でここまでできるなんて! 

また、舞台セットの転換もリズミカルで面白い。奥行きと天井の高さを活用して、立体的でアニメーション的な動きをしている。非常によく計算されていて美しい。舞台転換自体が完成度の高い表現になっている。

約2時間半のステージを、全く飽きることなく食い入るように夢中になって観ることができた。ラストは全員総立ちのスタンディングオベーション。お約束的なものでなく、この日のステージは、舞台の上の人も、観客席の人も、立ち上がって喜びを伝え合わずにはいられない感動が確実にあった。このステージに巡り会えたことを、心から幸運に思った。

2009/5/24〜6/7には、世田谷パブリックシアターで「江戸の青空」というお芝居があります。西岡徳馬さんが主演! 期待せずにはいられません(^^)

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2009.02.27

三番町小川美術館、有元利夫展。

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千代田区三番町の小川美術館へ、「有元利夫展」を見に行った。

先日いらした、アートの造詣が深いお客様が、「ワジョさんきっとお好きかと思って」と昨年の展覧会のカードを私にくださった。その方はパウル・クレーのファンで、同じくクレーのファンの私に有元利夫を薦めてくれた。

ビンゴですねーっ。昨年、テレビ東京の「美の巨人たち」で有元利夫の特集を見て、ぜひともこの人の絵を見てみたいと思っていたのだ。クレーと有元利夫、特に似ているわけではないのに、なんで私が好きだとわかったんだろう?

有元利夫は、疎開先の岡山で生まれ、東京の谷中に育ち、東京芸大を卒業後、電通でデザイナーとして活躍したのち、洋画家となった人。1985年に38歳の若さで肝臓癌のため逝去した。

バロック音楽を愛し、リコーダー演奏を嗜み、作曲もした。会場内では静かに彼の作による「RONDO」という曲が流れていた。神秘的で幻想的。こういう音楽、たまらなく好き。

私の好きなパウル・クレーもラウル・デュフィも有元利夫も、音楽を愛した画家という部分で共通している。そういう画家が好きなのかなあ。私も音楽に夢中だからね。

小川美術館では、有元さんの命日である2月24日前後に毎年展覧会を開いているらしい。今年2009年は2月23日(月)から3月7日(土)まで。あと一週間ぐらいですね。

ここにこんな素敵な美術館があるなんて知らなかった。三番町の立派なビルの一階に、ひっそりとした入り口がある。看板の左横、ちょっと美術館の入り口とは思えないような、中の見えない黒い鉄の自動扉。本当に入っていいのかどうか一瞬考えてしまった。

しかし一歩中に入ると、計算し尽くされた美しい空間が広がっている。しかも入場無料なんですよ。なんで?? いちおう芳名帳にワジョリーナと書いてみた。書かなくてもいいらしい。

中には絵が10枚ほど飾られている部屋が三つ四つ。最初の通路に飾られている小さな絵を数枚見ただけでドップリ感動してしまった。全く素晴らしい。

彼の作品は頭部が小さく首から下の大きい女性の絵が多い。彼の名前を知らなくても作品を見たことのある人は多いと思う。こちらに少し絵が出ています。どのモデルも無表情に近いのに穏やかな優しさに包まれていて、宗教画のような光を感じる。

なぜか布や袋を持っている人の絵が多い。20リットルサイズのゴミ袋ぐらいの布を、両腕を斜め前に伸ばして持っているのだ。これが一体何の意味があるのかはわからなかった。そのうちわかるのかな?

他に印象的なモチーフは、花びら、雲、階段、金色の光、マス目の床やテーブル、幕。幻想的な光景の中に、計算や規則性が入り込んでいるところが面白い。色彩的にも、ポスターのようだったり、写真のようだったり、わざとかすれやよごれを加えていたり、さまざまなアイデアが見られる。アイデアを作品に昇華する際の完成度が非常に高く、さりげなく美しい。

額縁にもかなりのこだわりがあったようで、初期は自分で額縁まで作っていたのだそうだ。一枚の絵として飾られるとき空間の中でどう見えるかを全部計算していたのかもしれない。元デザイナーだし?

しかしいざ彼の作品を目の前にすると、そういった技法的な情報はぶっ飛んでしまい、ただただ女神の宿る芸術に陶酔してしまう。BGMのハープの調べと相まって、この世とあの世の境目にいるような気持ちになってくる。

最後の部屋にたどり着く頃にはもう私は、酩酊状態に近かった。これ以上見たらやばいのではないかと思うほどキテしまった。本当にすごい。この人ほどスピリチュアルな存在もなかなかいないのではないか。そう思う。

ちょっと立ってられなくなったので、第一室のノグチテーブルのところに座って休憩。今日この日の感動は、一生忘れられないと思った。

受付で「RONDO」のCDを売っていた。1枚800円。嬉しいおみやげ。

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2008.07.10

イラストレーター神職さんのリサイクルアート神棚。

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昨日の火曜日、札幌からいらしてくれたお客さまが「今戸神社さんからお預かりものです」と、市野恵子さん&智絵さんからの手紙を持ってきてくださった。

札幌の人がなぜ?と思ったら、せっかく東京へ来たので今戸神社さんへご祈祷にいらしたのだそうで。素晴らしい。そこで私の名前を出してくださったらしい。

手紙の中に、智絵さんのグループ展の案内状が入っていた。「達人29 リサイクルアート展」

京橋のギャラリー「ASK? art space kimura」にて、期間は7/9まで! ぬおおおお、残り一日だ。ちょうど銀座方面で人と会う約束があり、その人を誘って訪ねてみた。

そしたらギャラリーに向かうエレベーターの前で「あっ、ワジョリーナさん!?」と呼ぶ人がいるではないか。市野智絵さんだった。ビックリ! すごいタイミングでお会いできた。

今日は神職さんのときとはガラリとイメージの違う、ハイセンスなアーチスト市野智絵さんらしいファッション。かっこいいわ〜。

ほおずきを持っている智絵さん。ご自分の作品であるドレスの前で記念撮影。ご自分が着ていた服をリサイクルして、イラストを散りばめたドレスです。

「今日、浅草はほおずき市なんです。四万六千日(しまんろくせんにち)といって、この日にお参りすると四万六千日お参りしたのと同じだと言われているんですよ」と教えてくださった。ほおずき1個もらっちゃった。ありがとうございます。

ギャラリーに入ってすぐ、一番最初に目につく場所に、智絵さんの作品「いい日になりますように」が飾られていた。この展覧会のテーマはリサイクル。ヤニが出て使えなくなってしまった神棚にペイントをしてリサイクルした作品なのだそうだ。

神棚の中も外もネコがいっぱい。招き猫の神社だものね。明るくハツラツとしていて、元気いっぱいのイラスト。神棚の屋根の上には龍の絵が入っていた。裏面にも智絵さんの神職姿の自画像が(笑) 小技が利いてますね!

他の方の作品も、なぜかネコをモチーフにした作品が多かった。植田まさし、しりあがり寿、ちばてつや、根本敬、林静一、福田繁雄、水森亜土、南伸坊など、錚々たるメンバーの作品がおもちゃ箱をひっくり返したようににぎやかな雰囲気で展示されていた。

カールおじさんのイラストを描いている、ひこねのりおさんの描いた七福神の作品だとか、しりあがり寿のバナナ型人形、亜土ちゃんの小物ケースなど、気になる作品は数々あった。

大御所の作品なのに、100円、3千円、高くて3万円ぐらいからのオークション形式で、作品を落札できるようになってた。数ある大御所をおさえて智絵さんの神棚に私も入札しておいた。落とせるといいな♪ でもたぶん無理っぽい。この作品がいちばん多くの入札を集めていたから。大人気ですね!

売り上げの一部は「MOTTAINAIキャンペーン」に寄付されるのだそうだ。

普段の智絵さんにお会いできて、なんだか特別に嬉しい感じがした。お会いするだけで浄化されるような清々しい人です。

うろ覚えで申し訳ないんですが、今月中旬に「ちいさんぽ」に今戸神社さんが出るらしいですよ。

智絵さんが、「ワジョリーナさんのご紹介やブログを見た方がたくさん参拝に来てくださってますよ」と教えてくれた。わー、嬉しい! 皆さんありがとうございます。

今戸神社情報の追伸なんですが、ご祈祷希望の方は電話予約をなさると確実です。トップページの一番下に電話番号が出てました。智絵さんがいらっしゃらない日はご祈祷を受けられないので、ぜひぜひ予約をなさってからお出かけください。

私が行ったときも、智絵さんのお休みの日だったのにたまたま忘れ物を取りにいらしたタイミングで私が行ったので、ご祈祷を受けることができたんです。前回の記事で電話予約のことを書き忘れてすみません。そういうことですので、よろしくお願いしまーす!

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2007.07.13

ミヤケマイ個展、「星ニ願イヲ」。金目鯛を食べながら鑑賞。

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ミヤケマイさんの個展、「星ニ願イヲ」を見に行った。

今回の個展は、赤坂の料理屋さんの店内という意表をつく場所。

金沢の美味しい日本酒を飲みながら、選りすぐりの料理をいただくお店、SAKE 鏡花だ。

赤坂のTBSの前の道を乃木坂方面に向かって歩いて駅から徒歩1分。エントランス広めで風情のある佇まい。

扉を開けるとズッシリとした天然木のカウンターが入り口から奧までズダーッと伸びている。なかなかの迫力。

カウンターの奧は茶室風の設えになっていて、どうやらちゃんと炉を切ってあるようだ。炉は竹の蓋で閉じてあった。床の間があり、茶道の道具があちこちに見える。

マイさんの作品は、壁沿いに展示されていた。掛け軸や熊手など、さまざまなスタイルで。

白熱灯の間接照明を多用した、独自のムードあふれるスペースに、マイさんの和モダンな作風が映えていた。超ステキ。

開店時刻の11:30に到着して、友だちと店内で待ち合わせ。ネットでも美味しいと評判の、ランチをいただいた。すごく混むようなので、早めに行った。やっぱりそれは正解で、12時には満員御礼になった。

ランチは三種類あり、今週のメニューは「稲庭饂飩と枝豆御飯」「銀鱈西京焼き」「金目鯛一夜干し」。いずれも主菜、小鉢、一品、ご飯、味噌汁、おしんこつきで1300円。

私たちは金目鯛を選んだ。金目鯛は20分ほどかかるとのこと。ゆっくり作品を見ながら待つのでOKです。

ごはんを待っていたら、ミヤケマイさんご本人が現れた! わ〜、お会いできて嬉しい。販売していたグッズに、サインまでしていただいてしまった。

オリジナルのラムネ香水のついた「文香」というのを買ってみた。香水をラムネ型のシオリに吹きかけて、ラムネやクジラの形の小袋に挟み込み、香りと形を楽しむもの。手紙を出すとき封筒に一つ入れるとかわいいかも。           

しばらくして、ランチが届いた。小鉢は水菜サラダ、一口大の寄せ豆腐と、豆腐とネギのおみそ汁。主菜の金目鯛は思ったより大ぶりで、ふっくらと美しい焼き上がり。これが実に美味しい。皮はパリッと香ばしく、白身は柔らかくうまみたっぷり。ごはんの進む味! おかわりいただきました!

最近、お昼はいつも同じものばかり食べていたから、こんな美味しいお昼ごはんは実に久しぶり。ああ、なんて幸せなんだ。

日本酒を使ったデザートも美味しいらしい。私は日本酒の香りが苦手なのでパスした。

マイさんの個展は、7/14日(土)まで。あと2日しかありませんが、お時間があれば、お食事がてらいらしてみてはいかがでしょう?

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2007.07.03

「藤森建築と路上観察」

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神社参拝のあと、東京オペラシティアートギャラリーに、「藤森建築と路上観察」を見に行った。

展示最終日! 超ギリギリ間に合った〜。どうしてもこれが見たかったんだよね。

藤森照信さんといえば、ニラハウス、タンポポハウスが有名でしょうか。東大の先生で、もともとは研究者だったのが44歳にして建築家としての活動も始めたという方です。

赤瀬川原平さんや南伸坊さんたちと行っている、路上観察学会の活動も注目され続けています。超芸術トマソンだとか、失われつつある美しい町の風景を記録する活動です。

トマソンを見つけるのは得意ではなかったけど、私も大学時代の頃、路上観察に夢中になった。一人で3時間も4時間も歩いて、写真を撮っていたっけ。

20年ほど前、江戸東京自由大学というフォーラムがあり(主催は東京都だったかしら)、そのプログラムで藤森先生と築地の町歩きをするという体験をしたことがある。かちどき橋の操縦室と地下室、旧聖路加病院の礼拝堂、築地の看板建築などを見て歩いた。

憧れの藤森先生に会えて、しかも一緒に歩けるなんて、夢のような一日。なるべく先生の近くを歩いて、どんな写真をお撮りになるのかなあなんて、観察してた。

素敵でしたねーー。気取らない、自然な笑顔の人でした。心の底から湧き起こる知的好奇心がガソリンになって動いてる人という印象。まぶしかったで〜。

そんな藤森先生のご活躍は、書籍やテレビでちょくちょく拝見し続けていた。活動自体も面白いし、書籍も本当に面白い。思わず吹き出してしまうような魅力的な文章だ。

今回、こうしてまとまった形で藤森建築の魅力を味わうことができて、ファンとしてはウハウハ。最高。もうね、会場全体が藤森ワールドで気配ムンムンなんですよ。展示の設計もすべてご本人が行ったのだそうだ。

最初の一室は藤森建築独自の素材を手で触れる展示。自然の素材を荒々しく表現するというのがコンセプトで、わざと波打つように削った柱だとか、手でペタペタと固めた壁だとかが展示されてた。いい味出してる。

第二室は、靴を脱いで上がる。場内にはスダレが敷き詰めてあり、サラサラとした気持ちいい質感を味わえた。温泉の更衣室みたい。

手前中央に、土マンジュウの塔がモコモコと立っている。単純に、土を固めてオバQみたいな形にしたものだ。表面には芝が植えられている。なんだか知らないけど近くに行くと妙に安らぐ。癒し効果あり。土の匂いと、安心感のある形のせいかな。

手前の小さなブースで、高過庵の制作過程をビデオで見ることができた。

柱にするための栗の木を探しに行くところから始まる。楽しそう。わざと二股に分かれた木を使ってる。この不安定な感じが、よけいにかわいらしい。

けっこうこれ、揺れるらしい(笑) 「ハンモックみたいで昼寝にいいね」なんて、南伸坊さんは発言してたけど、高所恐怖症の人には怖いだろうなあ。私もたぶんムリ。見に行ってみたいけどね。どっちにしろ中に入れるわけじゃないもんなあ。

奧のほうには、藤森先生の好きな世界の建築ベスト5のパネルが。このページにある5枚の写真が、それ。ポルトガルの石の家! これ写真で見ただけで感銘を受けますね。良すぎるよ〜〜。コンセプトが素晴らしい。

竹ドーム(竹で編んだドームに縄が巻き付いてる)の中では、トマソンの鑑賞ビデオが上映されていた。ここは激混みで大行列。諦めた。

再び靴を履いて第二室から出ると、廊下には路上観察学会メンバーのプロフィールと著書などが展示されていた。オオ〜、私の愛読してきた書籍たちがいっぱいだよ。あの本もこの本も面白かった。この人たちはいつもサブカルの先頭だったよなー。

なんだかまたカメラを持って町歩きをしたくなった。いい展覧会でした。ごっつぁんです。

そういや今、六本木ヒルズでコルビュジェ展もやってるから見に行きたい。コルビュジェ展は前にセゾン美術館で見たことがある。10年ぶりだからまた違った感じで見られるかも。楽しみにゃー。

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2007.05.27

銀座エルメスのショーウィンドウ

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いま、銀座エルメスのショーウィンドウには、私が親しくさせていただいているアーチストのミヤケマイさんの作品が展示されています。

テーマは、「雨奇晴好 COME RAIN OR SHINE」。雨の季節ですからね。

先日ご案内をいただいたので、拝見してきました。ソニービルの隣の、ガラスブロックのビルですね。そのガラスブロックの一部が小窓になっていて、作品が飾られているのです。

16個の小窓から見えるのは、和菓子をモチーフとした作品。すべて色合いや構成が違っていて、かわいい! マイさんの作品の中に、さりげなくエルメスの商品が組み込まれていて、おしゃれです。

晴海通り側の、メインのディスプレイは、掛け軸のかかった床の間が正面ドアの左側にあり、ドアの右側は八の字を描く龍です。

素晴らしい! どこから見てもミヤケマイの作品だぁ〜。とても力強く、なおかつ上品。いつもながら完成度が高いですね。エルメスの商品と、龍の立体的なオブジェの絡み方がまた面白い。これは写真ではわかりにくいので、ぜひ実物をご覧になっていただきたいです。

7月14日(土)までやっているそうです。店内に入らなくても、外から見るだけで大丈夫。もちろん、ついでに店内を見るのも楽しいですよ。銀座にお越しの際は、寄られてみてはいかがでしょう?

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2007.03.10

美輪様のお芝居。「双頭の鷲」@パルコ劇場

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美輪様のお芝居を観てきた。渋谷パルコ劇場。「双頭の鷲」です。

主役の王妃は、もちろん美輪様。相手役の革命家の詩人が木村彰吾(キムショー)。警視総監が長谷川初範。王妃の読書係が夏樹陽子。公爵が柄沢次郎。召使いが大山峻護。

実は美輪様とキムショー以外、誰がやっていたのかわからなかった。あまりにも西洋ふうに化けてて誰が誰だかわかんないよ〜。家に帰ってネットで見て初めてわかった。あわわ。

ゴテゴテの西洋コスチュームの中、キムショーだけが素のまま。ヅラも被らず、いつも通りのスポーツ刈りで、いつも通りの日本人顔。きっと美輪様が、このままの彼を見せたかったのね。確かに純粋で一本気な革命詩人ぽさが出ていたわ。

美輪様は背筋がビシッと通っていて、威厳のある美しさだった。早口の長台詞も流麗で、とても実年齢(確か今年で10万72歳)には見えない。

キムショーとのコンビにも違和感はなく、ラブロマンスの雰囲気をしっかりと感じた。「そういえばオーラの泉で、美輪さんとキムショーは前世で夫婦だったって言ってたっけなー」と、思い出さずにはいられない。うむうむ、納得。

あー、それにしてもこの雰囲気。平成とは思えないよ。タイムスリップして昭和へひとっ飛び! ヘナーッとしたマイナー調のクラシックもどきのBGMで、美輪様が長台詞を朗々と語る有り様を見ていたら、池袋文芸坐でATGやら文芸映画やらをオールナイトで見まくっていた頃を思い出してしまった。

「黒蜥蜴」「砂の女」「盲獣」「恐怖奇形人間」「他人の顔」「病院坂の首縊りの家」etc... あ〜、みんないい映画だった。

まさにアングラ。この前、音楽会に行ったときも思ったんだけど、美輪様はすごい勢いでアングラをメジャー化させて打ち上げてる人なんだな。しかもそれが、カッコイイ。古臭くないのはなんでかなあ? きっと美輪様の芸術が、本物だからだわ。

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物語の展開は、全然意外なところがなく、正直ちょっと寝そうになった。だけど無条件に感動してしまった。泣きそう。あんまり面白いと思わなかったのに、なんで泣くのかね。みっともない。

パルコ劇場の小さなロビーは、芸能人からの花で溢れんばかりだった。右を向いても左を向いても花・花・花。100個を下らないほどの数だ。江原先生からのお花も見つけた。百合のような香りが、客席にまで届く。愛されているのね、美輪様。

なんだか夢のようなひとときだったわ。ありがとうございました。美輪明宏様。

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2007.02.16

人形浄瑠璃「摂州合邦辻」

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大学時代のゼミの先生、先輩たちと集まり、半蔵門の国立劇場で人形浄瑠璃を鑑賞した。

今回の演目は、摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)。俊徳丸、浅香姫のカップルに、俊徳丸の継母である玉手御前が執念の横恋慕? 実はその理由は・・・。というような芝居。

竹本住太夫が義太夫を語るとのことでか、チケットは大人気だったそうだ。先生があぜくら会の優先販売でなんとか押さえてくださった。

我々和光大学荒木繁ゼミは全世代にわたり仲の良いゼミで、ときどきこうして一緒に観劇をしたり、先生の軽井沢の別荘へ旅行をしたりしている。卒業後15年以上経っても、先生や先輩たちと親しくしていただけるのは非常に幸せなことだと思う。

私にとっては久しぶりの文楽鑑賞。まず、舞台の左右に字幕が出るのにビックリした。一体いつからこのようなハイテクが導入されたんだろう? 

これがずいぶんと鑑賞の助けとなり、イヤホンガイドがなくても内容がわかりやすかった。私が大学生のときからあれば良かったのに・・・。そしたらもう少し頭が良くなっていたかも?

私は近松門左衛門研究ゼミ生で、在学中はそれなりに文楽も見ていた。しかしあまりにもブランクがあって、今の文楽界の状況が掴めない。今日の舞台は自分なりに満足できたが、誰がどういう芝居をしたかイマイチ把握できていないのが残念。たまには見ておかないとだめだなあと思った。

古典芸能の世界にハマるセオリーとして一般的なコースは、最初が歌舞伎で、落語へ行って、能狂言に進み、最後は人形浄瑠璃にたどり着くのだという話を聞いたことがある。人形浄瑠璃は、かなり見巧者向けと言っていいのかもしれない。

確かに人間が演じている限り、どうしても演者のパーソナリティが役柄に絡んできて、芝居が好きになればなるほど、そっちに気を取られてしまう。

人形浄瑠璃はその点、人形遣いと太夫という演者の存在は、あくまでも人形の後ろに控える形を取っている。ゆえに、生身のパーソナリティを持たぬ人形を通じて芝居の神髄そのものを感じ取りやすいように思う。

もちろん、影なる演者によって人形の持ち味は大幅に変わる。でもあくまでも、人形は人形なのだ。この面白さがわかるようになれば、アナタの古典芸能人間度数はドップリ級である。

とはいえやっぱり人間丸出しの芝居も見たいものだなと、改めて思った。歌舞伎を見に行きたい。私がカブキチだった頃には子役だった、海老蔵さんや菊之助さんの活躍ぶりや、若手だった勘三郎さんや橋之助さんの大成ぶりを確かめに行きたいわ。もちろん、大ファンだった仁左衛門サマにも会いたい!

文楽鑑賞のあとみんなで食べに行った、珍しい国のお料理のことを明日書きます。

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2007.01.08

ミヤケマイ展 在る晴れた日

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渋谷Bunkamuraで催されているミヤケマイさんの個展「在る晴れた日」へおじゃました。

会場に着くと、場内は大勢のお客さんでにぎわっていた。やっぱり人気なんだなあ。

みんな興味深そうに、しげしげと作品を見つめている。見れば見るほど発見があって面白い。つい引き込まれてしまうのだ。

マイさんの作品は、すみずみまですごく目配りが利いている。そういうところが大好き。見る人(他者)の視線がよく見えている人なんだなあと思う。

非常に完成度が高く、同時に人のぬくもりが確かにあり、芸術作品としてのたましいの存在を感じる。このたましいは永遠に生き続けるのだろう。そう思う。

私が特に気に入ったのは、「潜水日和」「おでかけ」といった作品。色遣いもスペース遣いも絶妙で良かった。

掛け軸に仕立ててある作品や、平面に立体的な図柄を浮かび上がらせている作品や、お正月ならではのオリジナル熊手など、ユニークな作品ばかり。写真の酒樽もマイさんの作品。

熊手には花園神社のお札がちょこんと顔を出していて、そのまわりにマイさん手作りのオブジェが飾られている。そのオブジェが熊手らしからぬ顔ぶれで面白い。飛行機が飛んでたりね。

マイさんのデザインした着物を着たマネキンが、場内のイスにちょこんと座っているのだけど、その座り方がリアルで、本物の人がいるみたいなの(笑) 小鳥の着物がかわいかった♪

カード、徳利、風呂敷、レターセット、シールなどのグッズも売っていますよ。

皆さんもおでかけになってはいかがでしょう? 入場無料。9日(火)までだそうです。(ギリギリでごめん(^^;))

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2006.12.08

ルソーの見た夢、ルソーに見る夢

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ココログが長時間メンテナンスを実施したため、記事を2日分まとめて投稿します。

世田谷美術館に、アンリ・ルソーの展覧会を見に行った。「ルソーの見た夢、ルソーに見る夢」と題され、ルソーの作品と、ルソーに影響を受けた日本人美術家たちの作品が展示されていた。

ルソーは私が小学生の頃から大好きな画家だ。勉強机にルソーのポストカードをいつもはさんでいた。当時の私は、文房具屋さんで、気に入ったポストカードがあると父に買ってもらっていた。描いた人の名前もわからずに買っていたのだが、少しローマ字が読めるようになってから確かめたら、ルソーの作品が多かった。「ルソーっていう人の絵はどうしてこんなに素敵なのかしらっ」と、子どもながら興奮したものだ。

そんな憧れのルソー。今回のようにまとまった形で見るのは初めて。今年はルソーも見れたし、クレーもデュフィも展覧会に行けて本当に良い年だったなあ。来年の希望としては、ニコ・ピロスマニとポール・デルヴォーが見れたら文句ない。

今回の展覧会は、ルソー本人の絵が23点と、やや少なめだった。それでも存在感は抜群。心を揺さぶる絵を見ることができた。「フリュマンス・ビッシュの肖像」の裏話に感動。

この絵はルソーが想いを寄せていた女性への贈り物。彼女は警察官のフリュマンス・ビッシュと結婚したが、結婚1年目で勤務中に暴徒に襲われた夫が亡くなり、嘆き暮れる彼女を慰めるために描いた絵なのだそうだ。額装にまでルソー自身の筆による草木の装飾が施され、彼の優しさが染み入る。きっとすごく優しくて繊細な人だったんだろうね。

彼はパリ市の税関に20年以上勤務しており、40歳から日曜画家として独学で絵を描いていたんだって。49歳で退職して画家に専念。だが生きている間にはゴーギャンなどのごく一部の先進的な画家たちの他に彼の作品を認める人はいなかったのだそうだ。知らなかったなあ。

ルソーに影響を受けた日本人画家の作品の中では、有元利夫の「一人の夜」という絵が素敵だった。なんとなく寂しい気持ちになる絵。寂しいけど気持ちいい。変な感じ。いい感じ。

今回のルソー展は、今度の日曜日までです。またギリギリだった。危ないところだったぜ。

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2006.10.22

池ノ上のギャラリーにて。中谷日出子展「コンタクトリ」

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友人ひでっちの個展を見に行ってきた。

私のこのブログに頻出する「友人ひでっち」という人物に関しては、「男なのか女なのか」「ワジョの彼氏なのではないか」「職業は何なのか」「この前一緒にいたあの人なのか」など、さまざまな推測がなされてきた。

ときどきお客さまに「彼氏なんですか?」と聞かれたりもする。「友人ひでっちです」と、人に紹介する機会があると、「あっ、ブログによく出てくる人ですね!!」といった反応が見られたり。おもろい。有名人やな、ひでっち。

あえて素性を説明せず、そんなふうに色んな解釈されるのって楽しい♪なんて呑気に思ってたのだが、ついに正体を明かすときがきた。

ひでっちとは、現代HEIGHTSで開催中の展覧会「コンタクトリ」の作家、中谷日出子さんです。

長年クリエイターとして活躍してきた彼女だが、絵を描く作家としては初めての個展だ。自分で都内のギャラリーめぐりをして、「ここだ!」とピーンときた現代HEIGHTSで話が決まり、個展を開くことになったのだそうだ。こういうのも巡り合わせだね。

ひでっちが選んだギャラリーは、さすがに個性的で面白いところだった。京王線池ノ上駅から徒歩4分。改札を出て、お米屋さんや昭和信用金庫のある商店街をまっすぐ歩いて左側。1本道で、わかりやすい。

普通の一軒家を改装した佇まいは、笹塚カフェKI-NOを思い出させる。店内の一番奥がギャラリーで、手前にCDショップとカフェと、ボックスギャラリーがある。このカフェがなかなかしゃれていて、メニューも充実している。私は行く前からホームページのカフェメニューを熟読。食べたい物がありすぎて困った。どれもこれも美味しそう。

結局ひでっちの意見も加味して、ワイルドベーコンのナポリタンにした。美味しい! 正解! このベーコンはすごいな。本当にワイルドで肉らしい肉の味がするよ。ベーコンの出汁が利いててナポリタン全体にコクが出てる。このベーコンはお店の自慢の特選素材なんだそうだ。

「目玉焼きのせワイルドベーコンドン」も気になるなあ。こんど下北沢に行ったとき、食べに寄ろうかな。ここは下北沢駅からも歩いて10分ぐらいなんだそうだ。地図で見ると、スズナリの裏のほうね。

食べ物の話から先に入っちゃったわ。肝心の展覧会のほう、もちろんじっくり見ましたよ。「コンタクトリ」って、コンタクトと鳥を合わせた言葉なんだって。ひでっちが自分で考えた造語。この人はやっぱり面白いセンスしてる。

ひでっちさんの絵は、今までずっとお家で見せてもらってきた。習作は画用紙に水彩だった。今回展示されているのは、すべてキャンバス作品。「おお、ひでっち。ここまできたんだね」と、感慨深い思いが湧いた。芸術に答えはないけれど、彼女にとってのひとつの答えがここに顕わになったのだなと思った。そして、私には何の権限もないのだが、「これでいいんだ」と思った。

彼女の作品は、言ってみれば抽象画なんだが、いつも私は「たましいがどこかで見てきた風景だな」と感じる。

それは彼女の睡眠中であったり、思索中であったり、お散歩中であったり、瞑想中であったり、そしてもちろん絵筆を握っている最中にも、彼女は今この世の人々が現実と認識している以外の次元や空間の景色を見たり感じたりして、それを写し取っているんじゃないかと思う。次元も空間も時間も何もかも超越しちゃってるんである。

絵の前に立ち、全体を見ると、絵が実際の大きさ以上に膨張して見える。いわば3Dな感じ。でも全然コンピュータグラフィックス的な3Dの技法は使われていない。完全な手作業で、アナログな作品だ。

でもだからこそ感じるのかもしれない。この生々しい時空のよじれ。心地よい異次元への旅。外へ向かうのみならず、ときには胎内にまで帰着させる。おかしな絵を描く娘だ。

私がこの展覧会を見て感じたことは、「世の中は目に見えるモノだけがすべてではない。何げないどこかや誰かを媒介に、大きな時空につながっている。そこにはあらゆる波長が存在し、神も悪魔も共存している。それゆえに人間界の出来事は、奇跡も道理も日常も、すべて隠し立てはできない」ということだ。何言ってんのかわかんない〜と思いますか? ひでっちの絵を見れば、この感覚がわかりますよぅー、きっと。たぶん・・・。私が変なだけだったらごめん。

ひでっちは、めっちゃ気さくで面白い人です。全然気取った人じゃないし、心根が純粋で優しい。そしてユニーク! 会期中、ほとんど毎日ギャラリーにいるそうです。ぜひ話しかけてみてください。感想を一言でも言ってあげると、すっごく喜ぶと思います。感激屋さんなんですよ。私の友だちを、どうぞよろしくお願いします。10月31日(火)までです。

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2006.09.16

ラウル・デュフィ展 — 美、生きる喜び — 

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東京駅の大丸ミュージアムで、ラウル・デュフィ展 — 美、生きる喜び — を見てきた。(画像はbijutsukann.comから引用)

デュフィは私の一番好きな画家。いつも企画展や常設展で、マティスの絵の隣などにちょこっと置いてあるのを見る。こうしてまとまった形で見るのは初めて。うれしいわ〜。

この展覧会が楽しみで、春先からずっと待っていた。東京に来る前に大阪や静岡を回っていて、待ちきれないから静岡まで見に行こうかと思ったぐらい。大好きです。

私が生まれる前にはもう亡くなっている画家。しかしそれでも、鮮やかな色遣い、リズミカルな構図、陽気なモチーフは、今なお生き生きとして現代に呼吸している。全く古くささを感じない。デュフィの絵を見るといつも「生きてる絵みたいだな」と思う。

全く写実的ではなく、コミカルで個性的なタッチが特徴的。なのに、風景画ではその場の風と光を感じるし、静物画ではその物を捉えるデュフィの目線の温度を感じる。

彼はフランスの港町、ル・アーヴルに生まれ、音楽一家に育まれバイオリンを弾き、画家として生計を立てるに至るまで、繊維会社でテキスタイルデザイナーとして16年間も働いた人。

今回の展示では、テキスタイルデザイナー時代の作品が多数展示されていた。半分以上がテキスタイルコーナーだったかな? 象や亀などの動物や、花をモチーフにしたデザインが多かった。

いずれも大胆な構図で魅力的。「この柄のハンカチほしいなー」と思ったり。ミュージアムショップでスカーフは売っていた。残念ながら私は、スカーフというものを全く使わない人間なので買えなかった。図録やカードやA4サイズのレプリカなどの類はゴッソリ買った。後悔したくないから全部買っちゃった!!

彼の絵のテーマの多くを占めるのが、音楽、海、花、アトリエだ。この展覧会の中でも印象的だったのは、「旗を飾った船(レガッタの祝祭)」や、「黄色のコンソール」といった、デュフィお得意のテーマの絵だった。

一通り見終わったあと、フロア中央にあるソファでしばらく休憩した。「あー、私は今、デュフィの絵に囲まれている!」と思っただけで幸福な気持ち。

いつか私が自分のカウンセリングルームを持つときが来たら、必ずデュフィの絵を飾りたいと思っている。

その他の作品は、こちらや、こちらや、こちらで少しご覧になれます。興味がありましたらどうぞ。

この展覧会は、9月26日(火)までやっています。

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2006.08.20

川村記念美術館「パウル・クレー展」+有頭海老フライセット。

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川村記念美術館パウル・クレー展に行ってきた。

3ヶ月前にシャガールを見に行って感動した、美しい美術館だ。

あのときは平日の朝一番で行き、誰もいない館内をゆっくり見て歩くことができた。

しかーし、今回は会期終了2日前の土曜日の午後。混んでいないはずがない。

案の定、京成佐倉駅から美術館への無料シャトルバスの段階で超満員。

幸い私は座れたけど、京成佐倉から30分(JR佐倉駅から20分)もかかるから座れないと大変よ。

上から二番目の写真みたいな、畑の中の道をバスで走るの。気持ちいいコースですね〜。

なぜか前回同様、駅に着いた時点で大雨。美術館に着いたら雨がやんだ。

手入れの行き届いた庭園が、雨上がりの蒸気に包まれて、尚のこと美しく見える。ひぐらしの鳴き声がカナカナカナカナ〜〜〜と響いておりました。ああ素敵。

三番目、四番目の写真は美術館の庭と本館。

館内に入ると、1階が常設展。2階が企画展になっている。1階は前回と同じかと思ったら、微妙に展示替えしてあった。夏を意識した展示だな。

1階はそれほど混雑はなく、自分のペースでじっくり見ることができた。

2階はさすがに混んでいて、部分的に人がかたまっている。人がいないところを選んで順不同で見れば、人間の頭越しに見なくてはならないほどの混みようではなかった。

でもこういう場所はやっぱり早い時間に来るに限るみたい。午後になると空気が少しよどむ。窓がないから換気が追いつかないんでしょうね。仕方のないことだけど。

展示は小ぶりのサイズの絵が多く、点数も思ったより多かった。約150点あったらしい。あんまり大きい絵を描かない人なのかしら? 

A5ぐらいの小さなサイズの中に、光と影と色彩と風を描き、無限のこの世につながっているように感じさせる。そんな小さなサイズなのに、ちっとも狭苦しくなく、のびのびと描かれている。

ほとんどは抽象的な絵なのに、どういうわけか既視感(デジャヴュ)に近いような感覚が多々起きる。色んな色の四角が積み重なっただけの絵を見て、「ここ行ったことある」と感じるのはなぜなんだろう? 

中でも、「モミの木のある赤い風景」という絵は気に入った。赤っぽい色を中心にしたかわいらしい絵だ。あと、ポスターにも使用されている「駱駝」も良い。どことなく音符のように見える円の連続が、リズミカルで心地いい。

そういえばクレーってバイオリニストだったんだそうですね。今回初めて知りました。私の一番好きな画家であるラウル・デュフィも音楽一家の人だし、私はそういうタイプの画家に弱いのかもしれない。

今回は、クレーの作品を幅広く見ることができて良かった。こうしてクレーの作品をまとめて見るのは初めて。意外とコミカルタッチの絵も描いたり、暗黒も描けば天国も描くという人なんだなと知った。単なる色彩の魔術師ではなかった。

彼はある意味霊能者だったんだろうなと感じた。まあ、芸術家というのはみんなそうなのかもしれないけど。

こうなるとやっぱりスイスのクレーセンターに行きたくなりますね。一体いつ行けるやら。待っててクレー。(ベタベッタ!)

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展覧会を見終わって、お楽しみのレストランに寄った。敷地内に「ベルヴェデーレ
」という、きれいなレストランがあるのだ。白鳥の遊ぶ池と敷地内の森林を眺めながら、美味しい食事をいただける。

今回は、有頭海老フライセット(1800円)と、ドイツソーセージグリル盛り合わせ(700円)をいただきました♪ おいちい! この海老、異常に長かったです。

頭の中まで身が詰まっていてボリュームあった。タルタルソースもたっぷりついてきたし、文句なし。セットのパンプキンポタージュスープも手作りでとても良いお味でした。

クレーの展覧会は本日20日の日曜日で終わりなので、もう見に行けないと思いますが、川村記念美術館は常設展も素晴らしく趣味がいいし、企画展も面白いので、ぜひ皆さん何かの機会にいらっしゃるとよろしいかと思います。

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