読めなかった谷川俊太郎さんからの手紙。
高校生のとき、文学少女の先輩たちと我々同世代の仲間10人ぐらいで同人誌を作っていた。「Wake Up! 目覚め」っていう小冊子。全部で12刊ぐらいは発行したんじゃないかな。
みんな詩を書いたり短編小説書いたりエッセイ書いたりで楽しかった。個性的な人ばかりで、割と面白い内容だったと思う。
イラストが得意な人が表紙の絵を描いて、私は誌名のロゴを作ったり中身のレイアウトをやったりしてた。自分の作品的には多感な文学少女のポエムを書いた。
その本の中で、先輩が尊敬する谷川俊太郎さんの詩を手書きで書いて賛辞とともに載せたい、つきましては谷川さんご本人の許可を得たいとのことでWake Up何冊かと手紙を送ったんです。
そしたらなんと、2週間ぐらいで返事が届いたの! 掲載の許可と、結構丁寧な、我々の作品に関する感想を書いてくださったらしい。
「らしい」というのは、先輩がその手紙を誰にも見せてくれなかったから。しつこくしつこく頼んだのに、どうしても見せてくれなかった。
きっとその先輩の作品以外のものが誉めてあったんだろうね。その人はいつも自分が一番じゃないと機嫌が悪くなる人だったから。
あー、あの手紙には一体何て書いてあったんだろう。今でも気になるばかり。谷川さん、どうか教えて!
御冥福を心よりお祈り申し上げます。
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