食パン長者。
最近、食パンをよくいただくようになった。食パンの投稿をすると、食パンを下さる方が増える。食パン長者の始まりである。
食パンはいくらあっても困らない。冷凍って手もある。なんて便利なんだろう、食パン。
ペリカンみたいな昭和の食パンも好きだし、セントルザベーカリーみたいな最新型の食パンも好き。何より、自分の行ったことのない町の小さなパン屋さんの食パンなんていただくと最高にときめく。
昔、実家の近くに日本堂というパン屋さんがあった。そこの食パンがしょっぱくて大人っぽい感じがして、その食パンで作られるサンドイッチがまた具まで手作りで最高だった。
もうなくなっちゃったんだけど、今でもたまに日本堂が夢に出てくる。わたしの通っていた小学校の給食のパンも作っていて、いかにも給食っていうリーンな味が良かったのよね。
今のわたしの家にはトースターがないので、いつもフライパンで焼く。焦げ目がつくまで食パンの両面を焼き、最後にバターを投入すると、全体になじんで染みて黄色っぽいバタートーストができる。
バタートーストに、天然塩または甜菜糖をササっとかけて食べると、背徳的な美味になる。ああっ、炭水化物+油脂に加えて塩分または糖分かよ!!みたいな背徳感。たまらんね。
うちの母は、食パンの白いところしか食べないタイプの人間。ミミはどうするかって? 太ってる娘が甘いコーヒー牛乳につけて食べるんですよ。これでまたよく太れます。
今は離れて暮らしているので、食パンのミミをもらえません。どうしてるのかなと思ったら、弟と一緒に健康追求型食生活をしているので、あんまりパンは食べてないみたい。
母はパンよりもシフォンケーキが好きなので、「シフォンケーキ食べたいよ〜シフォンケーキ食べたいよ〜」と、会えばうわごとを聞かされる。それは聞かなかったことにしてる。買うと弟に怒られるから。うちは弟が一番偉い人なのです。
その弟がこの前、実家の近くの鶏肉屋さんのお惣菜を買ってきてくれた。打撲傷のお見舞い。数年ぶりに見たわ。近所の小さな商店が軒並み消えてゆく状況の中、この店は今も生きている。わたしの子供時代と同じ味。なんとも嬉しい。
日本堂はなくなっちゃったけど、小学校の近くのパン屋さんはまだあるみたい。そこのキュウリサンドが世界一好き。今度買いに行きたいな。
あのキュウリサンドの具がどうしても再現できない。多分、塩もみしたキューリにヨーグルトとマヨネーズをまぜて数時間寝かせて、食パンに業務用のマーガリンを塗って具を挟んでるんだと思うんだけど、なんか全然そうならない。絶対テキトーに作ってるようにしか見えないのに。
そもそも業務用マーガリンなんて量が多すぎて買えないよ。食パンは普通の山崎ロイヤルブレッドだ。
贅沢の逆を行く味に、ときにガッツリ心を掴まれる。郷愁だけではない何かがそこにはある。人間て面白いね。
さて何回食パンて言ったでしょうか?
#食パン
| 固定リンク