浜田山アトリエハル。中村仁樹さんのライブの感想です。
浜田山のアトリエハルで行われた中村仁樹さんのライブを拝見しました。
どうも和楽器のライブちゅうのはわたしにとってまだ遠い世界な感じがして、一緒に行ってくれる友だちがいないと恥ずかちいという気持ちがあるのです。幸いにも一緒にいてとても気が楽な美冬さんが来てくれました。ありがとう!
今日の会場はユニークな場所で、中庭のある一軒家。建築事務所兼ご自宅である様子です。住宅地の道路と京王線の線路に挟まる民家テイスト溢れる空間でした。
しかしただの民家ではないのです。往来に面した引き戸を開ければ、週末の幸福をたたえた温かな風が吹き抜け、中庭に目を移せば緑がまぶしく、高い天井を支える壁は懐かしの漆喰、足元を見ればなんと本物の土そのもの!
という自然と一体化する気まんまんの素敵な空間で極上のサウンドを堪能しました。
開場時間から少し遅れて行ったらもう前のほうしか席が空いてなくて、というか前のほうに座りたかったからこれ幸いと最前列を陣取るわたしたち。
まさきさんが登場したら、思った以上に目の前でドキドキっすよ! 50センチぐらいしか離れてない位置でバッチリ観てしまった♡
指先の繊細な動きや、口の形、顔や首の筋肉の使い方、呼吸、全身を丸ごと駆使した音色と表現の兼ね合いといったもののすべてが間近に感じられた。すごい迫力。こんなん見れてツイてるなー。
シンガーのわたしは尺八とは表現法はもちろん違うのだけど、すごく感動したし、生きた勉強になりました。
最初のほうで、滝の流れをひたすら表現する古典曲を演奏なさったら、体感温度が3度ぐらい下がったの。マジ下がった。不思議すぎる。
しかも滝を見てる気分ではなくて、自分が滝になった気分になった。なんでやねん。もうね、ひたすら高い巌から一直線に落ちる滝の水と化したわ。人生でそんな気持ちになることは滅多にあるまい。
曲目は昨年発売されたファーストソロアルバムからの曲が多かった。まさきさんは尺八演奏家として日本で指折りのスゴイ人なんだけど、同時に作曲家としての才能もスゴイ。
純邦楽のみならず、おそらくその数百倍の古今東西のあらゆる音楽を全身で吸収した人ならではの音楽的センス。わたしもオーディオファンとしてたくさんの音楽を聴いてきたほうなので、曲を聴けばその背景にあるものの深みや味わいがある程度すぐわかる。
まさきさんの音楽は、音楽というカテゴリーを超えて、人の命と真摯に向き合ってきた人だけが持つ奥深さを感じる。お寺の息子さんというのもあるだろうし、ご本人の生まれ持ってのたましいの資質が多分に影響していると思う。
自分の命と聴く人の命と、もしかしたら聴いてない人の命までも包んで強く癒す力を持っている。この世にこの音楽が存在すること自体に意味があると思う。
まさきさんの音楽にはそういうエネルギーが溢れていて、何度聴いてもなくなることはない。だからわたしは何度でも聴く。もう100回ぐらい聴いたかな? でも全然飽きないし、いつも聴きたくてたまらなくなる。
特に最近は、寝る直前に一曲だけyoutubeでまさきさんの演奏を見てから寝ることが多い。なんだか一日の邪気をすべてリセットして安心して眠れる感じがするのです。ライブ演奏の映像だと浄化のエネルギーをよけいに強く感じる。
そんな人の本物の生演奏を目の前で観たのだから、今日のわたしは滝行と坐禅をいっぺんにしてきたみたいなクリアなオーラになったに違いないですね!
まあそれにしても演奏そのものの素晴らしさったらインパクト強くてびっくりした。
バッハの超絶技巧の曲を尺八一本で演奏されたんですよ。まさに超絶技巧で! ありえない速度と展開。疲れるそぶりも全くなく、音の世界に没頭するまさきさん。
美冬さんが、「凄すぎて指が止まって見えたわ!」と言っていた(笑)ホントそうでしたわ。尺八でやろうと思いつくのもびっくりだし、ちゃんと尺八ならではの良さがあって素晴らしいクオリティに仕上がってるところがまた驚き。
とても濃くて楽しいライブでした。まさきさんはトークも上手くて、声がすごくいい。尺八の話もほかの話も面白くて、来た人がみんな温かな気持ちになるような時間でした。
終わったあと、中庭で美冬さんに写真を撮ってもらった。ゴイスーな天才演奏家を前に緊張するワジョ先生(笑)普段あまり見せない表情をしております。
その割には自分の好きなジャズの曲をリクエストとかしちゃって図々しいんですけど。今度やってくれるって言ってた! 聴きたい! またライブにおじゃまするのが楽しみです(^^)
手相カウンセラーワジョリーナのホームページはこちらです。
http://www.wajorina.com/
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