山下達郎ライブ。神奈川県民ホール2017年4月28日。
初めての山下達郎ライブ。神奈川県民ホールの2階席。やっと念願叶いました。
昔、サウンドストリートを毎週聴いていたよな〜。当時はレコードを何枚か持っていたけれど、今持ってるCDはベスト盤ぐらいというライトなファンです。
その程度の気合いでは、チケットなんてなかなか当たりません(笑)今回はまぐれ当たりってところね。
達郎さん曰く、「昔はマニアックな選曲で聴き手を唸らせようという気持ちがあったが歳を重ねてめんどくさくなってきたから今年のツアーは特にベタな選曲ばかりです」と。
確かにわたしでも知ってるような曲が多かったわ。曲名まではわからないですけどね。そういえばこの曲もあったなあ、名曲だなあ、歌いたいと、何度も思った。
特にオープニングの曲は、近いうちライブで歌おうかと思ってた大好きな曲で、いきなりときめいた!
山下達郎はわたしより14歳年上だ。天性のものが大いにあるとしても、鍛え続ければ人間は60代でもあんな声が出るという証明を得て、遅咲き歌手のわたしは希望が持てた。
びっくりしたのは、CDと同じ声だったってこと。それも30年以上前に録音したCDと遜色ない声だったのよ。
ライブならではの血肉の熱さやアドリブの自由自在さは十分にありつつ、ノリでどっか行っちゃうってことがなかった。抜群の安定感。
この安定感は、今自分がどこにいるのかよく分かっているからなんじゃないかと思った。
その楽曲の中で、どこのセクションか、10人編成のバンドの中でどの位置に自分がいるのか、今夜のライブのどのあたりなのかというのはもちろん。この時代、この季節の中で、世界のどこにいて、何が起きている瞬間にここにいるのかということに対して、とても意識的な人なのだということを感じた。それが歌に表れている。要するに軸足がハンパなく強い。
歌唱力とか声が出てるとかいう以前に、そういう人間としての在り方こそが歌を作っているのだと教わった。
達郎さんのトークを久しぶりに聞いたけど、リスナーに対する正直さが全く変わっていなかった。取り繕うことなく、信念に基づいて何事も言い切る潔さが素晴らしい。
そしてライブで聴いて改めて達郎さんはブラックミュージックに対する畏敬の念がものすごく厚いのを感じた。
対してバンドの演奏はシティポップだった。今回、小笠原拓海さんのドラムを観るのも楽しみのひとつでした。いやあかっこいい。姿もドラムもかっこいい。お若いのにこういう音を出せるなんて洒脱ですな。
非常にスマートで、無駄にバシャバシャした音がない。一音一音がよく聴こえる。ラウドな音じゃないのに芯のしっかりした強い音がする。音のテンションが心地よく一定している。きちんとしたまとまりがあり、なおかつ華やかさもある。
さすが24歳で山下達郎バンドに採用された人なだけあるね。今もまだ32歳だよ。すんごい人だ。
今夜のライブは3時間10分ほど。達郎さんとしては、「もし今夜限りでライブができなくなったとしても後悔はしたくない。そう思うと、どうしても3時間に収まらない」んだそうです。驚愕。
でも全然長く感じなかったなあ。本当に楽しい時間だった。
歌うということ、音楽を演奏して人に伝えるということについて、大いなる示唆を得た。山下達郎のやり方。わたしのやり方。違って当たり前だし同じことはできないけれど、歌手は自らの在り方に確信を持ってこそ歌えると、体感的に知った。それだけでかなりの収穫だ。
音楽の神様、今夜わたしをあの場所にいさせてくれてありがとう。
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