アンバランスなバランスに心を籠絡されるオンリーワンの焼き菓子。
ピカソルは特別なお店です。万人に薦められるわけではないし、贅沢な美食を追求するのとは別方向のベクトルで突出している。
たいらかに言えば、ハマる人はハマるけれど、そうじゃない人にはただの甘くないお菓子なんだと思います。
しかも、「甘くない=健康志向」ゆえではないところが衝撃的なわけです。これが美味しいからこうしている。
添加物や保存料を使っていないのも、そのほうが美味しいからなんだと思います。だから焼き菓子なのに生菓子並みに賞味期限が短い。
オーナーシェフが体質的にバターが合わなかったから、マーガリンを使っているそうです。原材料に堂々とマーガリンと書く男気がすごい。ちょっとでも隠そうと思えば植物性油脂などと書くと思うんですよ。ちなみにオーナーシェフは女性です。
原料も有機素材にこだわっているわけではなく、普通レベルで考えて安心できる範囲の素材を無理なく使っている感じ。
しかし実際美味しい。世界中のどこにもない、ピカソルの味。素朴で工業製品の味がしない、シンプルな味わい。お母さんの味でもない。お母さんのお菓子はもっと甘い。粉そのものの味と季節の生フルーツの味が主体になっている。
砂糖は最低限しか使用しない。砂糖不使用の商品も多く、砂糖の代替品を入れていない。最初はびっくりするほど甘くないけれど、この味に馴染むと年単位で飽きない。むしろ恋しくて食べたくてたまらなくなります。
このアンバランスなバランスに心を射抜かれると抜けられなくなるのです。ある種、宗教的なまでに我が身を籠絡される魅力が存在します。わたしは完全にやられちゃいました(笑)
わたしが今までにピカソルで最も多い回数買ったお菓子は、砂糖不使用のバナナケーキです。
これが実に甘くない。バナナだけの甘さに完全に頼っている。食感がビヨンビヨンしていて不思議な感じ。パウンドケーキでもない、スポンジケーキでもない、シフォンケーキでもない。なんとも形容しがたいケーキなのです。
一時はこれを毎日食べないと気が済まない状態になり、二日に一度ぐらい買いに行っていました。結構売れ筋らしくて売り切れてるときもあり、地団駄を踏んだことも。
その次に好きなのが、パンビスケットサンドの生クリーム。
罪悪感ハンパないレベルの生クリーム量です。この生クリームも甘くない。パンビスケットも甘くない。しかし甘くないからといってカロリーを抑えられようもないぐらいのボリュームです。何がしたいんだ、ピカソル。美味しすぎるではないか。
ラズベリーヨーグルトのパウンドケーキはピカソルの中ではやや甘い商品。しっとりとしていて甘さも適度に感じられて普通に美味しいです。これは誰にプレゼントしても大丈夫そう。いや、ほかのも大丈夫なんですけどね。
今回、バナナのサヴォア(ソフトクッキー)があったので買ってみました。砂糖不使用のクッキーです。これは史上最高に甘くなかった。修行かな? ってレベル。ピカソル上級者にはお薦めします。
斯様に独自性のある焼き菓子屋ピカソルは、自由が丘のスイーツ戦争の中でも特に争わない特別区です。何ものにも日和らないこの姿勢。美しいと思います。
一般的にはチーズケーキとシュークリームが人気なのかも。これらはわたしにとってピカソルっぽさが薄くて普通なのであまり買わないです。もちろん美味しいんですけどね。
希望としてはサヴォアのプレーンを発売してほしいと長年思っております。どうか作ってくれますように。どんなに甘くなくても買います(笑)
これからも、あの四つ角を通るたびに最高に胸をときめかせて買い続けると思います。ずっとこんな感じでいてください。愛しています。
手相カウンセラーワジョリーナのホームページはこちらです。
http://www.wajorina.com/
| 固定リンク
コメント