迎賓館赤坂離宮を参観。
迎賓館赤坂離宮を参観してきました。
子どもの頃からずっと、この白い門の中に入りたいなあと思っていました。父の運転するクルマでこの場所の横を通るとき、一瞬でも多くこの光景を目に焼き付けたいと、必死なほどに見ていた。「いつかこの中に入れるほど偉い人になりたい」なんて、ぼんやり考えるほど。偉くなってないけど今日私は、この中に入れました!
迎賓館では毎年、6月ぐらいにホームページで参観希望者の募集をしている。昔は往復ハガキだった。何度か応募したけど、いつもハズレだった。今回はインターネットで応募して、思いがけず当選した。まわりにも何人か応募した人がいて、数少ないサンプルの中で当選の割合を見ると30%ぐらいな印象。
当選すれば、参観は無料。応募時に希望した日程しか入れない。当選メールのプリントと、身分証明書が必要。西門から入場して、受付でその二つを提出すると、入館バッヂを胸につけるまで係員の人が待っててくれる。
そのあとパンフレットを受け取り、必要なら無料コインロッカーに荷物を入れる。私は現地にロッカーがないかと思って駅のコインロッカーに荷物を預けてしまった。ムキー!
館内は撮影禁止。外観とお庭だけ撮影が許可されている。
さあ晴れて入館です! 門の外から見ていた憧れの世界がそこにありました。おおおお、大きい! 前庭も石畳の広場も、迎賓館の建物も、空も樹も噴水も、すべてが大きい! なんだか大きすぎてスケール感がつかめない感じすらする。縮尺が合ってない・・・みたいな印象。変な感じだー。
高層ビルとか、大きな公園とか、そういう大きさとまた違う次元の大きさ。とにかくむだといえばむだな空間の使い方で、めいっぱい贅を尽くしている。しかもこんなに大きいのに、すみずみまで完璧に手入れされている。あり得ない世界だ。
迎賓館は今年で築後104年を迎えたらしい。100年も前の建物がこんなにピカピカで、どこも古くさくなってないなんて。しかし職員さんの話によれば、これでも前より古くなってるんだそうだ。どこが古いのかわからない。
そもそもは皇太子殿下のお住まいとして建てられた建築を、海外からの要人を迎えるに相応しい格式のある場所として5年の年月をかけて改修し、迎賓館として使用しはじめたのは昭和49年のことだったそうで。意外に迎賓館としての歴史が新しいことに驚いた。
東宮御所なだけあって、敷地内の空気は神社のように澄んでいる。中も外も清められている。ここは本当に特別な場所なんだと思った。
一番大きい広間は、一部屋で100坪もあるそうだ。100坪って、ちょっとしたマンションを建てられるぐらいの大きさじゃないですか? それが一つの部屋って、もう想像を絶する世界。
しかも1トンのシャンデリアが3つぐらいぶら下がってる。このシャンデリアの重さを支えるために、部屋全体が釣り鐘釣りの鉄骨建造物になってるらしい。「地震対策はバッチリです」と、職員さんたちが繰り返し説明していた。
各部屋ごとに、職員さんが待機していて、部屋に入ると説明を聞くことができる。エンドレスで説明を繰り返してくれているので、いつ入っても話を聞ける。これを一日中繰り返している職員さんたちには頭が下がるなあ。質問にも丁寧に答えてくださり、とても面白かった。
私がした質問は、「晩餐会のときのお料理はフランス料理ですか?」ということだった(笑)私らしいでしょうよ。
お返事は、「ほとんどがフランス料理で、大倉陶園の食器で提供されます。ときどき日本料理の場合もあります。すべての料理は地下の調理室で作られます。スタッフはホテルから来ている料理人です。どこのホテルから来るかは年度ごとの入札で決まります。今年はオークラさんだ、その前はオータニさんだと、しょっちゅう変わります」とのお返事でした。おおう。こんなに詳しくお返事してくださるとはありがたい。
私の感覚では、部屋ごとにだいぶエネルギーの違いがあった。こういうときにあんまりスピリチュアルなことは言いたくないけど、それぞれにテーマがあって、楽しいテーマの部屋は居心地がよくウキウキとしたり、神聖なテーマの部屋では静かで落ち着く気持ちになったりした。
私にとって、すべてが快ではない部屋もあるにはあって、職員さんの説明を聞いていたら、この部屋のテーマになってる人物が私の前世からの縁で気の重い相手だった。そういうのってあるんだなあと、妙に関心してしまった。
このお城の造作や美術品の、贅の尽くしようは途轍もない。ただ美しいというだけではなく、普通の場所では味わえない異色の感覚を味わえる。正直言って、美的空間としての完成度としてはどうなんだろう。管理の都合もあるだろうけど、これで合ってるのかなと思う部分もなくはない。
しかしここで必要なのは、そういったアート的なものの見方じゃないんだろうなと思った。圧倒的スケール。唯一無二の存在感。不可侵の神々しさ。限られた層の人間にしか触れられない独自の世界が持つ空気感。こんな独特な場所に入ることのできた私は、とんでもなく幸運なのではないかと、後になればなるほどそう感じた。
建物の裏手には、驚くほどの水圧を誇る噴水がある。もう本当にここはベルサイユ宮殿か!って思う。この噴水の水勢を見ているだけで、なんだか色々と浄化されてしまいそうだ。
今日は特別な日になった。人生でも忘れられない一日。こんな経験ができたことを宝物に思う。この機会を私に与えてくださったすべてのご縁に感謝します。
入館バッヂと、アンケート用紙を提出して帰りました。また当たるといいなあ。
| 固定リンク
コメント
ワジョさん、こんにちは!
すごいですね~~~。
こんなところが都心にあるなんて
ちょっと信じられないような場所ですね~。
ワジョさんの撮られた写真も素晴らしくて
その、ちょっと特殊な感じが
すごくよくわかりました。
部屋によってエネルギーが違う、という
お話、すっごく面白い!!!
やっぱりそういうものなんですね!?
きっとそれって私たちがいるところもそうなんだろうけど
こういう場所は雑然としてないから
よりクリアに感じられるのでしょうか。
私の周りではみんなハズレました・・・(泣)
来年もチャレンジします~~!
投稿: コトコト | 2013.09.07 23:44
コトコトしゃん
そうなんですよー、部屋ごとのエネルギーの違いがはっきりとわかりました。確かに、場がクリアーな分わかりやすいんでしょうね。
私たちが普段いる場所でも、そういう違いはあると思います。部屋ごとにも、建物ごとにも、道筋ごとにもありますよね。私も一年前に引っ越して、道一本横にずれただけなのに、ずいぶんエネルギーに違いがあって面白いなあと思いました。
来年はコトコトしゃんも当たるといいですね! 私もまた、応募してみようと思います(^^)
投稿: ワジョリーナ | 2013.09.08 02:32