モンドの舟盛り2012夏バージョン。大漁イタリアン♪
自由が丘が誇るイタリアンレストラン、モンド(mondo)。そのシェフとソムリエのお二人が釣りフリークなのは、知る人ぞ知る事実。レストランガイドよりも釣りの特集記事に登場なさるときのほうがノリノリという謎の人たち。
そんなモンドのソムリエ田村さんから、「赤ムツ釣れた」との吉報が入った。とっさに食べ仲間のkawatonさんを誘い、即座にOKいただいた♪ 良い展開!
今回は特別に写真を撮らせていただいています。諸般の事情で普段は撮影禁止です。
中勢以の前スネ肉のテリーヌ。
このお皿の前に、舞茸のスープがありました。前菜からいきなり中勢以のお肉が出るとは。ただならぬ夜になる気配がムンムン。スタートはゆるやかに広がり、口に運ぶごとにエネルギーを感じさせるお肉。さすが中勢以さん&さすが宮木シェフです。
野菜はエコファームアサノさんの野菜のピクルス。アサノさんの野菜は見た目も美しく個性的で、野菜らしい味が強い。苦みも甘みも渋みもきちんと素直に出てる。そのバランスが素晴らしく、生で既に芸術的だ。野菜嫌いの私でも喜んで食べられる。
宮木シェフの名作、イカスミとじゃがいものエスプーマ。
これは誰もが叫びをあげる絶品。イカスミとじゃがいもが、どうしてこんなに美味しくなるのか? 全くもって不思議。
中勢以の牛肉とポルチーニのパッパルデッレ。
美味しいーーー・・・・・・ 倒れそうです。お肉の味、強いのに濃すぎなくてふくよか。ポルチーニの爽やかな香りと食感が、夏らしく美しい。パスタの厚みと味の絡み具合がまた絶妙にマッチしていた。これらが一体となって醸す押し出し感。寄り切られます。
モンドに来る前から、今日はパッパルデッレが食べたいと思っていた。不思議だ。前回、焦がし小麦のカヴァテッリが食べたいと思っていたら、それが出てきたし、タヤリンが食べたいと思ってたときはタヤリンが出てきた。宮木さんは私の何かをキャッチしているとしか思えない(笑)
「なんでわかるんですかね?」と聞いたら、「単に気が合うんじゃないですか」と田村さんにスルッと言われた。全くだわ。それ以外ないじゃないの。
お待たせ! モンドの舟盛り2012年夏バージョンです。
この大皿が私の目の前に置かれただけで、めまいがするほどの喜び。シェフとソムリエのお二人が、仕事抜きに大好きな釣りに出て、勝負をかけて捕らえてきた釣果です。しかも高級魚ばかり目白押し。ツイてます☆
こんなにたくさんの種類の魚を、すべて違う調理法で、最高のタイミングで全部を仕上げて出してくれた宮木さん。全力疾走したようなお姿でお皿を持ってきてくれました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。宮木さん、ありがとう!
ムシガレイとジャガイモの重ね焼き。
ふんわりと柔らかなムシガレイ。食感と味の持続感が、市販の魚と全然違う。上質感極まる味。魚のスープで炊いたジャガイモがつけあわせ。これがまた絶品で、一期一会の味わいだった。
コチのナスの炭火焼き バニェットソースと焼きトマト。
コチの皮がパリッとこうばしく、白身は肉厚でうまみを抱えてパンパンになってる。ナスとトマトに合わせて口に運ぶと、酸味と甘みと魚のタンパク質のうまみが弾けて小爆発を繰り返す。すごい。
メバルととうもろこしのフリット。
こりゃまた食感と香りが変わって楽しい。かなりバリッと硬めに揚げたフリットの衣が、ふわふわのメバルと甘いとうもろこしの味によく合う。特に特徴的な味つけはしてなくて、ごくシンプルなのに、ものすごくはっきり味を主張してる。
この舟盛りすべて、丁寧にスープを取っている以外は、とりたてて味の強い調味料やソースは使っておらず、素材重視のストレートな味を楽しめるようになっていた。なのに、しっかりイタリアンなのだ。決して和食ではない。これが不思議。魚介スープ(要するに魚介出汁?)でシンプルに味つけしたら、和食になると思うのだけど。宮木さんが心の底からイタリア人になってるからなんだろうか。
赤ムツとポルチーニの炭火焼き。
本日のハイライトはこちら☆ 高級魚を代表する赤ムツです!
なんて美味しいのでしょうか。自分の脳天からうまみ成分が溢れ出てしまいそうなほど美味しかった。お皿には一滴もしずくが出ていないのに、噛むとドワアッとうまみ汁が口の中に広がる。そのうまみ汁を受け止めるのがポルチーニだなんて、贅沢。
宮木さんのお料理は、肉でも魚でもうまみを中へ中へと閉じ込める技術がすごい。見た目がきれいだし、驚きがある。本当に宮木さんリスペクトしてる。
赤ムツの卵のポシェといろいろ魚のスープ。
赤ムツの卵なんて人生で何度食べる機会があるだろうか。それもイタリアンで、こんなに美味しく。いろんな魚のスープは、釣り帰りのモンドさんでときどきいただけるのだが、毎回味が違って面白い。そのときの釣果によるということだ。今回は、澄んだコンソメスープの魚介バージョンみたいな感じでひときわ上品だった。
赤ムツの肝のムニエル。
赤ムツの肝とはまたレアな。なんともいえない、他のものの味わいと較べられない美味。フォアグラよりも上品で、白レバーよりも味わい深い。
鯖の軽い燻製とウイキョウ、トマトのサラダ。
今まで食べてきた鯖と違う生き物のような気さえする。まず食感がふっくらなめらかで優しい。味わいに熟成感があるのに新鮮。鯖をこんな味で食べられるなんて。ウイキョウ、トマトのサラダとのコンビネーションも抜群。この組み合わせじゃなきゃだめなんじゃないかと思うぐらい相性が良かった。
最高の舟盛りの余韻に浸りつつ、スフレ状のマンゴーと白ワインゼリーとパッションフルーツのデザートを。
もう満たされすぎて言葉もありません。おなかだけでなく、心も頭も目も満たされました。何か念力を注入されたぐらいのフルパワー充電です。
美味しいという現象は奥深い。人と人との出会い。タイミング。呼吸。相性。季節。体調。気持ち。全部大切だ。察し合う気持ちと感謝も。一つのレストランと大切につきあっていく喜びを、改めて感じた。
今日この舟盛りを食べるイベントのために、美しい浴衣姿で来てくれたkawatonさんを目の前に、彼女と来て良かったなと心から思った。
kawatonさんも以前からモンドさんに何度となく訪れ、モンドを愛する人の一人だ。
これからもこの店には、食べるのが大好きで、一食の食事に感謝と敬意をきちんと持つ人たちと来たい。心から愛する私の友人たちを、また幾度もモンドにお誘いしよう。
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コメント
ワジョさん、この日はご一緒させていただき、ほんとうにありがとうございました。
記事を拝見していると、美味しさがどんどんよみがえってきて、「このコース、もう1周お願いします!」と叫びたくなります(笑)。
宮木シェフの素晴らしいお料理と、田村さんのお心遣いが行き届いた心地よい空間で、大好きなワジョさんと楽しい時間を共有させていただき、最高に幸せな夜でした。
またご一緒させてくださいね!
投稿: kawaton | 2012.08.20 12:56
kawatonさん
本当に楽しく幸せで美味しい時間でしたね!
kawatonさんをお誘いしてよかった(^^)
ぜひまた一緒に美味しいもの食べましょう☆
投稿: ワジョ | 2012.08.20 13:04