「夏ですし、すごい肉を食べに行きましょう!」と、肉食の友人と約束をしたのは先月のこと。そこで白羽の矢を立てた店が、表参道の「よろにく」。究極の焼肉を食べられる店として、チェックしておいたとっておきの名店。
上の写真は、シャトーブリアン。ヒレ肉のスゴイやつ。今回オーダーした9000円のコースで登場したスター☆ 本当に驚いた。こんなに美味しいお肉がこの世にあるなんて。
塩でさっぱり。肉の味が濃く深く、肉汁が滝のようにあふれる。これだけ大きなカットでも、口に当たるところが一つもなく、下拵えの丁寧さが感じられる。
お肉は全部、お店の人が焼いてくれる。弱火でじっくり焼くもの、強火でサッと焼くもの。プロが焼くとこんなに違うのかなー?と思うほど美味しい。肉の味を最大限引き出してくれる。
私たちがナイスリアクションだったせいか、途中から大将が出てきて焼いてくれた。やったー\(^o^)/ ツイてるね!
さすが大将、寸分狂いのない絶妙な焼き加減。しかも、必要なところだけスッと現れて、スッと姿を消すタイミングもプロ(笑)
火加減を見て、肉を網に置いて姿を消す。そして、見てないのにどうしてわかるかな?というタイミングで現れてお皿に移し、さりげなく去る。お店の人がいて友だちと話がしずらいという雰囲気が全くない。とっても落ち着く。
キムチ三種盛り。白菜、きゅうり、大根。辛すぎず、こざっぱりとして箸休めになる味。ナムルも三種盛りが出た。つきだしは、そら豆のゼリー寄せだった。
店内はこんなスタイリッシュな雰囲気。全く匂いも煙も気にならない。徹底的にお掃除してある。個室もある。芸能人とかいっぱい来ていそうね〜〜。
塩ダレのサラダ。パリンと新鮮な野菜に、ふわっと優しくフルーティなドレッシングがかかっている。
イチボ、白センマイ、ユッケ盛り合わせ。「できるだけ早く召し上がってください。中でもイチボは真っ先にどうぞ」と言われる。
白センマイは、その名の通り白く、味わいも清らかで食べやすい。コリコリ感がたまらない。
ウォーーーー! イチボ美味しいーーー! 脂がスルスルと舌の温度で溶けて、肉の味がパアッと花開くように立つ。
生肉がなかなか食べられないご時世に、これだけのものを食べさせてもらえると、満たされ感がチャージできる。
ユッケはカットが大きめ。実に甘く旨く、かぐわしいユッケ。タレの甘さじゃなくて肉の甘さでこれだけの美味しさが引き出されるとは!
ここで焼き部門に入ります。トップの写真のシャトーブリアンから、はじまりはじまり。
焼くとこんな感じ! うめーーー。塩だけで肉はこんなにもうまくなるのか。
塩焼が続く。タン、ハツ、中落ち。何が出てくるかは日によって変わるらしい。
ハツの塩焼き。爆発的に美味しい。ハツをこれだけ大きなカットで塩焼きにして、こんなに柔らかく、生臭さゼロで、ブリンブリンの食感を味わえる幸福。ホルモンなのにすごい肉汁です。ドバーーッと出ます。
タン塩はレモンをかけて。これも厚切り。プロの火加減で焼いてこその、厚切り、肉汁。
中落ちは、あぶったネギを巻いて食べる。
どう考えても美味しいでしょう。美味しい。こんなに大きいのに、口の中でもたつかず、サクサクと歯切れがよい。脳天に雷が落ちるような衝撃の美味しさ。大将に、「参りました」と告げる(笑)
稀少部位の、ツチノコとカタサンカク。
ツチノコは腰のあたりのお肉で、動かすことのない筋肉だからこその柔らかさがあるそうだ。うむむむ、確かに今まで食べたことのないような柔らかさ。ムニュムニュだ。
ホルモン系の食べられない友人に気を遣って、シルクロースのにぎり寿司を特別に出してくださった。
こ、こ、これはっ! うますぎるーーーー。お醤油をつけてほおばると、一気に和の頂点へと達する。場面が変わった感じ。
ここでハチノスのお吸い物が来た。非常に上品な良い出汁。昆布と鰹の正統派の出汁に、ハチノスの脂がほんのり香る。
このお吸い物でお口をリセットしての、更なる稀少部位の登場です。
じゃじゃーん! ミスジとシルクロース。見るからに美味しさを主張している。このまま置いておいたら溶けてしまいそうなほど繊細。
ミスジは巻いた形のままタレにつけて食べる。やばいやばいやばい。タレがきっちり濃いめ。高級焼肉にありがちな、薄いタレではない。それだからこそ、焼肉食べた!という満足感がある。
よろにくのお肉は、全部の種類が際だって味の違い、食感の違い、香りの違いを心に訴えてくる。塩とタレの二種類ではなく、それぞれが肉料理の頂点なのだ。
シルクロース。もうこの辺はサッと炙る程度で。
炙ったらタレにサッとくぐらせて。
ぬわんと、一口大のごはんの上に乗せて食べる。
ムキーーーーーー!! 美味しいよーーーーー!! 全国の皆さまに食べさせたい!! もう文句なし。絶品です。
まだ来ます(笑) 9000円のコースって、普通に考えたら高額なんだけど、コース半ばで「むしろ安いのでは?」と感じ始めた。一つ一つのお肉が、コース料理のメインになるような味ですからね。
こちらは、特選サーロインとザブトンすき焼。
サーロイン焼いてもらってる〜。
大根おろしとポン酢で。どひゃあ! 高級な日本料理の味。脂身が上質で、実に美味。脂の味と赤い肉の味が、口の中で飛び交う。
ラストのお肉はザブトンすき焼き。
卵は白身を抜いた、真っ黄色な黄身だけにつける。まさに絶品のすき焼き。しかも肉のところだけ(笑) 贅沢だわ〜。
シメは、阿波の手延べそうめん。
冷麺じゃなくて素麺ていうのが良い。佃煮をまぜて食べるようになっている。この佃煮が妙にマッチしていて、素麺がとても美味しく食べられる。
ベースの出汁の味の良さも素晴らしい。
デザートは、ワガママ言ってシロクマのかき氷にしてもらった。
二人でシェア。ふわふわのかき氷に濃厚な練乳。氷の中にはフルーツがたくさん。なんて美味しいのでしょうか。これだけでも食べに来たいぐらい。
やあ、本当に美味しかった。
一つ一つのお肉が出てきてバーッと頂点に上り詰めて、また次の肉をワクワクして待つ状態は、アミューズメントパークでアトラクションをハシゴしているような気分だった。かなりテンション上がった。
これだけみっちりサービスしてもらって、サービス料も別ではなく、きっちり9000円だった。すごい。
同席の友人が、「これだけの満足度を保持するのは、企業努力の賜ですね」と言っていた。まさにその通り。
人気店なので、席の利用時間は2時間。でも急がされる感じは全くなく、2時間もこれだけの幸福を味わえて感動モノ。お店の人が焼いてくれるペースにまかせていれば、きっちり2時間におさまる。
ああもう本当に良いお店に出会ってしまった。ぜひみんなに食べてほしい。次は50人ぐらいで予約して行きたいぐらいですね(笑)
よろにくで焼肉を食べて、今まで自分が食べていた焼肉は、多少臭みがあったり味付けが濃かったり薄かったりしても、焼肉だからこういうものと思い込んでいたのかもしれないと思った。焼肉が、ここまで完成度を高められる料理だとは。まさに焼肉観が変わった。
場所は、骨董通りのミニストップの地下。表参道の駅から行って、ブルーノートの少し先、高樹町交差点の手前の路地です。行くべし。