自由が丘 mondo(モンド)。鹿の塩釜焼き。
自由が丘の隠れ家イタリアン、mondo(モンド)さんで久しぶりのディナー。仕事が終わって夜9時過ぎからでも、ゆったりとディナーを楽しめる貴重なお店です。
着席すると、一輪挿しに梅の花が。ソムリエの田村さんが、レストランの庭に咲く花を手ずから切って挿しているのだそうだ。風流でござる。
内装も現代美術みたいで素敵!
到着したとき、三組のお客さんたちが幸せそうな表情で過ごしていた。ゆっくり食べていたら、最後は私の貸し切りに(笑)
モンドさんはいつでも、一軒家レストランならではのゆる〜い時間が流れていて、急かされる感じがない。一人で行ってもホッとする。
まずは前菜二種。左がモデルノ(現代風)の、お米を平らに伸ばしてサクサク焼き上げて、モッツァレラを乗せたもの。右がレジョナーレ(イタリア郷土料理風)のライスコロッケ。
モデルノは焼きたてのチーズせんべいみたいで歯触りが快感。ライスコロッケは揚げたてアツアツ! 油が軽くて上品。両方美味しいなあ。
熟考の末、今日はモデルノ(現代風)を選択。
夜のコース 2011 Winnter- Menu moderno - です。
山羊のフレッシュチーズと本鱒。
人肌に温められたマス。ほぼレアのように見えますが、外側から中心まで均等にほんわりと温かく、口に入れるとしっとり舌に吸い付くよう。
モニョモニョと口を二度三度動かしているうち、スルリと溶けてしまいます。
すごく庶民的に言うと、塩気を控えた極上のスモークサーモンの厚切りをホワホワに温めたお料理!?(こんな表現ですみませ〜ん、シェフ)
きれいな仕上がりの自家製の山羊のフレッシュチーズの味とマッチして、非常に満足度が高い。
いつもの美味しいパンです♪
鱈の白子とキノコのフラン。
わあ、しらこ大好き! 「イタリア風の茶碗蒸しみたいな感じですよ」と宮木シェフが言っていた。多層的な素材の味が、魚介の出汁とバターの泡に包まれて、美味のカオス状態になっております。
海老の旨みたっぷりのスパゲティ。
ここは本当はコース構成上では「牡蠣とブロッコリーのタリアテッレ」が来る順番なのですが、私は牡蠣が食べられないので変更していただいた。
もうテーブルに届いた時点で香ばしい海老の香りがいっぱい! カリカリに焼かれた海老の頭、プリプリの海老の身、そして凝縮した海老の風味をぐんぐん吸い込んだスパゲティ。海老濃度200%のパスタです!!
これだけ風味が豊かなのに、しょっぱかったり火が入りすぎたりしていないところがさすがですねー。量もちょうどいい。
雉のラグー ガルガネッリ。
キジ、ラグー、ガルガネッリの食感の違いが楽しい。上にかかったチーズが縁結び役。
キジは鶏よりやや噛み応えがあり、噛むと野生のうま味がじんわり出てくる。ラグーソースは円熟した深い旨み。ガルガネッリはもっちり強めの弾力感。何度も噛みしめて、ラグーの味に混ぜ込んで食べたい。
さてこれは何でしょう? マーラーカオ? ケーキ? 正解は・・・
鹿のロースト モンド風。
これで〜〜〜す! 鹿の塩釜焼き。スパイスやハーブやフルーツをミックスした塩釜で、じっくり低温ローストした鹿肉。
お・い・しい〜〜〜〜!!
な〜んて美味しいんでしょうか。お肉の中心まで限りなくレアな状態で、熱は十分に通っている。塩とスパイスの味もまんべんなく均等に染み渡っており、カドがなく口当たりがいい。
塩釜焼きのビジュアルからイメージする塩気の強さはなく、むしろマイルド。噛むと肉汁と一緒に塩気がキュッと染み出してくる。
おそるべし、塩釜焼き・・・。こんなに美味しかったのか。しかも、じっくり味わうためノロノロとゆっくり食べていても、最後までお肉が冷めない。不思議な現象だ。
ソムリエの田村さんにお聞きしたところ、こういった絶妙な火入れを要求される料理こそ宮木シェフの得意中の得意ワザなんだそうだ。かなりの集中力を必要とするらしい。
この鹿の味・・・当分頭から離れそうにない。
うーん、満足満足。いつもモンドさんでは、メインの前ぐらいでおなかのほうはほぼ満たされた状態になるんだけど、絶対メインもデザートも残せない。
本日のデザートは、苺とココナッツのロールケーキ。
スポンジ生地を使用してない、ムースとゼリーだけのロールケーキ。ココナッツ味のムースは半冷凍でシャキっとした舌触り。イチゴのソースがゼリー状になっていて、上に乗っている部分だけカリカリになっていた。上に乗っているのはピスタチオのアイスクリーム。彩り豊か。
食後の小さなお菓子も、もれなく美味しいです。
ホットコーヒーで本日のコース、完了。
ああ〜〜、美味しかった。全部が丁寧で素晴らしい。シェフの気合いが伝わった。
ソムリエの田村さんもいつも陽気で、気楽に話しかけることができる人。ざっくばらんな会話の中に、信念と経験に裏付けされた心の広さを感じる。
どんなお仕事にも言えることだけど、やっぱり人柄が大事ですよね。和洋中にかかわらず、あのシェフに会いに行きたい、あのソムリエさんに会いに行きたいと思う店に、これからも通いたい。そんな思いを新たにした夜でした。
ごちそうさまです♪
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