自由が丘の隠れ家風レストラン、モンド(mondo)に行ってきました。
食べログの自由が丘イタリアンランキングを見ると、いつも上位に入っているお店。しかもメインストリート側ではなくて閑静な住宅街のそのまた路地の奥にあるお店だというから気になって仕方ない。
なかなかたどり着けない人もいるというので、前日の夕方、明るいうちに下見をしておいた。なるほど。これはたどり着けなくても無理はない。
まわりにお店も何もない住宅地。しかも入り口の路地には目立つ看板もなく、「mondo」の透明な文字が夜になるとぼわっと光るガラスの球だけが頼りだ。なんと心をくすぐるアプローチ。惚れてまうやろ!
さらに石畳の路地の奥にある階段を下りて左手側に、やっとお店の入り口がある。ちょっとお庭っぽくなってます。
ラストオーダーが21:30なので、私も仕事が終わったあとに行ける。ラストオーダーが遅いって素晴らしい。ワジョルームからは徒歩5分♪
ワジョルームを出て、学園通り(バス通り)を駅の方に向かって下り、最初の信号(チュベドショコラの先)を右折。その道が緑小通りです。緑小通りの突き当たりが上の写真。モンドに続く路地へとつながります。
緑小通りの突き当たりにあるお店と覚えておけばいいかも。
自由が丘駅のほうから行く場合は、学園通りを目黒通りに向かって進み、ABCマートの次の信号を左折します。
ちょっと複雑なようですけど、駅から歩いて10分ぐらいですよ。
天井が高く、現代美術のようなしつらえがとても美しい店内。窓の外の緑あふれる庭が絵画のように見えるのも良い。テーブルは6つほどで、席と席の間隔が広い。
本日は 2010 Autumn 夜のコース- Menu regionale (レジョナーレ)-をいただいた。
モンドのお料理は2種類のコースのみ。イタリア伝統の郷土料理で構成された- Menu regionale (レジョナーレ)-と、現代風に独自のアレンジを施した- Menu moderno(モデルノ) -がある。
コースの始まる前に、伝統風と現代風それぞれ一口ずつ突き出しが出てくる。
二つの味を見て、どちらが好みかでコースを選んでくださいという趣向だ。私は正統派のオムレツを美味しく感じたので、- Menu regionale (レジョナーレ)-を選んだ。
気さくでいて全く粗雑さのないソムリエさんの明るい接客で、一人ディナーの私も居心地良く過ごすことができた。ときどきシェフが自らお皿を持ってきてくれて、短い会話の中にも料理の味の通りの誠実なお人柄が感じられた。
シェフの宮木康彦さんは、青山アクアパッツァご出身で、その後イタリアに渡り、三ツ星レストランをはじめ、イタリア各地をめぐり郷土料理を学んできた方なのだそうだ。シェフのブログにその当時(2007年頃)の郷土巡りの様子がアップされている。非常に興味深い。
さてコースの始まりです。
最初に届いたのは、5種類の自家製パン。右上から時計回りに、チーズ入りのパリパリのパン、グリッシーニ、丸パン、クミン入りのパン、フェンネル入りのパン。
わっほー! 温かい手作りの味だ。まじりけのない焼きたての粉とバターと卵の味。レストランの自家製パンは優しくて美味しいなあ。
クミン入りのパンと、フェンネル入りのパンは初めて食べた。スパイスがほどよく利いていて、粉の味もきちんとしつつ、噛みしめるとスパイスの香りがスッと立ち上がる。
スカンピとタコのカポナータ(シチリア地方の料理)
いきなり美味しい。野菜そのものの甘みがグイグイ引き出されている。カドのない円い味わい。オイルも濃すぎずちょうど良い。海老の出汁が全体に回り、ふくよかな香りを放っている。手前に添えられているペーストはナッツとオレンジがアクセントになっている。
仔牛頭テリーヌとポルチーニ茸のオーブン焼き (ピエモンテ地方の料理)
ポルチーニがこんなに!! どっひー。贅沢です。松茸も美味しいけどポルチーニも最高に美味しい。私が「こんなにポルチーニ?」と聞くと、ソムリエさんが「出血大サービス!」と言っていた(笑)
ポルチーニをかき分けたところ。仔牛頭テリーヌが見える。テリーヌというか全部肉ですよっ!! 美味しい〜〜〜。ゼラチン質のところと脂身の少ない肉のところがバランス良くまざっている。要するにカシラ肉ですね。最上級のカシラですわ。
鰯のスパゲッティー。
本当はコース上だと「生ウニのスパゲッティー (サルデーニャ地方の料理)」なんだけど、私はウニが食べられないので別のスパゲッティーに変更してもらった。親切な対応に大感謝です♪
これがまた、急に変更して作ってもらったにもかかわらず激ウマ。鰯の青臭いとこ抜きで、うまみとコクが凝縮されている感じ。青魚系ファンの私にはたまりません!
カネーデルリ プレサーティとクラウティ (アルトアディジェ地方の料理)
これも美味しい〜〜〜。初めて食べたわ、このお料理。焼き上げたバケットをほぐしてチーズや薬味を入れて丸め、軽く焼き目をつけてからスープで煮たお料理なんだそうだ。イタリアのアルトアディジェ地方では、残り物のパンを使って気軽によく作るみたい。
確かに小麦粉やパン粉で作ったものと食感が違う。弾力強めでムッチリしてる。スープを十分に吸っていながら型くずれしてない。思った以上にチーズの味が濃い。これがうまいんだな−。
けっこうこのあたりで既におなかは満たされ感あり。でもまだこれからですから!
仔羊とじゃがいものロースト (プーリア地方の料理)
わーーーい! メインです! 最初に鍋に入った状態でお料理の仕上がり具合を見せてくれる。このあとお皿に盛ってから再登場します。
来た来た。あーっ、いいわ。羊肉の脂の香りとローズマリーとオリーブオイル。なんて相性がいいのでしょうか。まさに鉄板です。
つけあわせのじゃがいもとニンニクもホクホクで最高。カリッとグリルされたローズマリーを指先でほぐしながら羊肉にかけて食べます。
このお料理は、お肉に最初に焼き目をつけてから、小鍋に野菜と一緒に仕込み、水を一切入れずに野菜の水分だけでコトコトとじっくり蒸し焼きにしているのだそうだ。だから肉の味が濃くて水っぽくない。手間暇かかってます。
栗とリコッタチーズのトルタ、チョコレートのジェラートと (エミリア-ロマーニャ地方の料理)
わあ美味しい!! それぞれにしっかり濃厚。それでいてバランスは良い。特にチョコレートのジェラートは材料の質の良さを感じた。
このあと小さな焼き菓子とエスプレッソ(コーヒー紅茶エスプレッソから選べる)も出ました♪
コースは2種類ともお値段8000円(税込み)別途サービス料10%で、炭酸水を1本追加して合計1万円弱でした。
私はお酒飲めないけどグラッパやワインも美味しいらしい。
今日は愛機OLYMPUS PEN E-P2に装着する新しいパンケーキレンズ(Panasonic H-H020)を購入したため、フォトジェニックなお料理をと思い、いつもより奮発した!
店内が思ったより暗めで最初は苦戦したけど、意外と良く撮れたかもO(≧▽≦)O
帰りにはシェフがパンのおみやげをくださった。今度はぜひモデルノのコースを食べに来たい。
メニューはおおよそ2ヶ月おきに変わっていくのだそうだ。次回は11月中旬頃に変わる予定とのことだった。それまでにモデルノ食べに行けたらいいなあ。
席数が少なく、人気のレストランなので、予約必須です。
ソムリエさんが、「駅から大変な思いをして辿り着いてくれたお客様をお断りするのはとてもではないけど心が痛む」と仰っていました。なんていい人なんだよう〜。
このお人柄から来る心からのもてなし、確かな味、美しい空間。どれをとっても素晴らしい。
美しくて美味しいお料理をありがとうございました。ごちそうさまです!