JR大森駅に近い南インド料理のお店、「ケララの風」でディナーを食べてきました。
近所に住む幼なじみの二人(S子ちゃんと千景さん)を誘い、三人でお食事。大森は私の生まれ育った地元。今もそこに住んでいる。
そんな地元に本格的な南インド料理のお店ができたと、オープン前から香取薫先生と新井由己さんに教えてもらっていたのだけど、地元だしいつでも行けると思っていると、かえって行く機会を見つけられずにいた。
ちなみに、香取薫先生は私のインド料理の先生で、新井由己さんは私の写真の先生。お二人はご夫婦です。
ディナーは団体さんや貸し切りの日も多いというので、予約がマスト。今回は当日予約でたまたまOKだった。ラッキー♪
場所はJR大森駅西口を出て、目の前にある池上通りを左手(二階建てのローソンのある方)に5分ほど歩くとある。大森が誇る高級スーパー、カドヤの手前。一軒家風の建物なのでよく見てね。
店内はインド料理屋さんというより、清潔で明るいカフェのよう。インド風の置物がゴッチャリとか、インド歌謡がガンガン流れてるとか、ないです。いえ、そういうお店も大好きなんですけど(笑)
こちらのお店は、日本人の方がやっていらっしゃる。ホールの方も作っている方も日本人。シェフはインドのホテルでみっちり修行なさってきた方なのだそうです。香取先生のブログ、4枚目の写真の人!
インドのケララ地方は、インドの南端・西岸に位置し、インド洋を臨む地域。神の国ケララとの呼び名もあるそうだ。
海産物、肉、野菜、すべての食材に恵まれ、インドの中ではノンベジタリアン比率が高い。ココナツ油を使用したまろやかな味が特色とのこと。以上、ワタクシの大雑把なネット調べ。
結論から言うと、ものすごく美味しかった! まだ3月だけど、私の今年見つけたレストランMVP候補の筆頭に挙げられる。
かなり特徴的な料理なので、好みに合わなければ「カレーっぽくない」ような印象に傾く場合もあるかもしれない。けれども私の好みで言うとド真ん中。こういう味つけのインド料理屋さんが東京にできないもんかね?と、長年思っていた。
辛さは本当に控えめながら、スパイスは厳選された品質のものをリッチに使っている。皿まで舐めたいほど旨い。
ココナツ油、削りココナツ、ココナツミルクの入った料理が多く、マイルドで食べやすい。
野菜、肉、魚、すべての素材がフレッシュで生きている。体に良いものを食べているという充足感を得られる。
手抜きが全く感じられないのに、提供されるスピードは決して遅くない。一体どうやってこんな変化に富んだメニューをアッという間に作っているんだろう?
そして接客がとても丁寧で、出しゃばりすぎず、温かい心配りを感じられる。お店屋さんというより、お家に招かれてもてなしていただいているような気持ちになる。
それでいてこの値段設定は非常に良心的。こんなに素晴らしい料理を、おなかがはちきれそうなほど食べて、一人あたり4千円! 申し訳ないほどのコスパです。
ランチのミールスに至っては、おかず8品+ごはん、おかわり自由で千円ですってよ! ありがたいー。今度絶対食べに行こう♪ 食べログでもランチが特に好評ですね。
さて今夜のオーダーは、以下の通り。
●ワダ 500円(2P)
豆生地でできたドーナツ状の揚げ物。ドーナツというよりさつま揚げっぽい。細かく刻んだタコが入っていた。左のカレーはサンバル。右の白い物体はココナツチャトニ。3人だから3Pを一人分ずつよそってくれた。シンプルなんだけど、しみじみ美味しい。
●パリップ(ダール)400円
豆のスープ。挽き割りムング豆を煮込み、ギーと少量のスパイスで香り付けしてある。ああヤバイ・・・。ウマイ。うますぎるー。たましいに染み入る美味しさだよ。全くもってマイルドでさりげない味ながら、奥深く優しく良いお味。こういう味つけのものは絶妙すぎて、味を決められるシェフが常にいるこういうお店じゃないと出せないのではないかしら。
●本日の野菜料理 イディアッパム付き 500円
4種類の中から「京芋のクートゥ」(京芋と豆の煮物)を選んだ。イディアッパムは、米粉で作った蒸し麺。おおおお、これも野菜本来の風味が生きていて美味しいよお。上品にできてる。上に乗っているのは生のカレーリーフですね。他の料理にも、カレーリーフがかなり使われていた。これってとても贅沢なこと。
●ポリチャ コリ(マサラ フライドチキン)600円
クリスピーな衣に粗挽きホールスパイスがたっぷり。全然しつこくなくてカリッと軽快に揚がっている。鶏肉自体の品質も良い。タンドリーチキンやフライドチキンはスパイスに頼って素材をおざなりにしてる例、けっこうあるような気が。ここはそんなことがない。付け合わせの紫タマネギのアチャールがこれまた美味しいと、マイフレンズに大好評だった。
●マサラ ドーサ 1200円
じゃがいものスパイス炒めを、ドーサ(米と豆でできたクレープ)で包んだもの。好みでサンバルとココナツチャトニをつけて食べる。
ドーサは表面をパリッと焼いて筒状に巻いた形状のものをよく見かけるが、こちらはしっとりとした焼き上がりで気泡を多く含み、包み方はマリオンクレープ状に畳んである。発酵した穀物の風味が感じられ、サンバルが染みこみやすい。
●ケララ ローストチキン 1280円
なんじゃこりゃ美味しい!! ケララ地方のスタンダードなチキン料理なのだそうだ。肉と野菜のコクたっぷりで深みのあるトマトソースに、スパイスを軽やかに効かせたローストチキンが乗っている。サクサクに揚がったカレーリーフのアクセントが良い香り。高級感ある一皿。
●マラバール チキンカリー 1180円
北ケララのムスリム風チキンカリー。エシャロットとフェンネルの香りが特色。ほろほろになるまで煮てある骨付きチキンが、スパイスとココナツミルクをまとい、極上のまろやかな味わいを生み出している。このコンビネーションは鉄板だなー。
●プロウン モイリー1400円
ココナッツミルクベースのエビのカリー。大きな海老が2尾も真ん中にドーンと入っている。第一に、この海老の火の通し方が最適! 固くなりすぎない半レア状態。でも熱はしっかり通っていて生臭さや冷たさは全くない。第二に、ベースのココナツミルクのカレーが美味! サッと熱を入れた半透明の細切りタマネギと、カレーリーフとトマトの味がすごくいい出汁になってる。あっさりしているんだけど、何も足りないものがない。
●ケララ ポロタ 200円
ケララの渦巻き状パン。クロワッサンのようにバターがリッチ。味つけは甘くなく、サクサクした食感がいい。200円て、安すぎない? 南インド料理のお店なので、ナンは置いていなくてポロタかライスを食べる。ライスも美味しいという評判なので気になる!
●デザート ヴァダラッパン 500円
黒糖とココナツミルクに、カルダモンでスパイシーな香り付けをしたミルクプリン。甘過ぎずスパイスの風味が大人っぽくて、個性的な良いお味。深い深いコクのあるチャイ(350円)は、「ペットボトルに入れて常に持ち歩きたい」と友人S子ちゃんが言った絶品。私はアクアクララに入れて毎日大量に飲みたいな。
このほか、ビール、ワイン、ラッシー、パパド、マサラピーナツなども頼んで合計1万2千円。一人4千円。心ゆくまで飲んで食べて、幸せな時間を過ごせました。
「全品ハズレなしだったね」「絶対また来よう」「定例会を開こう」「ランチも美味しそう」「なおみちゃんも誘わないと」「インド人の友達を連れて来たらきっと感激するね」「大森にこんなお店があるなんて自慢できる」と全員が絶賛でした。
デートにも、食通さんたちのお食事会にもオススメです。皆さん大森にいらっしゃい♪