お茶の水、てんぷら山の上でランチ。
親孝行シリーズ第二弾。お茶の水にある山の上ホテルのレストラン、てんぷら 山の上に行ってきました。
リハビリ中で外出が難しい母を好きなところへ連れていくという主旨で、今回のリクエストは「美味しい天ぷらが食べたい」だった。検討した結果、山の上ホテルに決めた。今のところ街場のお店よりもホテルのほうが安心かと思って。
それに天ぷら山の上は、池波正太郎ファンの私にとって一度は行ってみたい場所だった。前に行ったことのある友だちも「美味しかった」と言っていたし。
前日に電話で聞いてみたら、2時近くになれば予約なしでも入れるとのことだった。ちょうどその頃合いに到着。古き良き昭和の趣を残すエントランスとロビーを通り抜け、1階右奥の店に入る。
カウンター席を希望すると、白木のカウンターの奥から3〜4番目という最上席に案内してもらえた。真正面に料理長の島貫さんがいて、静謐な表情で天ぷらを揚げている。新鮮な白い胡麻油の匂いがほどよく漂っている。
料理長さんの背面にあるのは、写真でよく見る「氷の冷蔵庫」だ。扉を開けると中には枕ほどの大きな氷の塊があり、その上に置いたバットに下処理済みのタネが並んでいた。とても清潔感がある。
冷蔵庫まわりだけじゃなくて、お席もオープンキッチンもピカピカ。座席の間隔が広めで、ゆったり座ることができた。席に座るとき、ちょうどいい姿勢で腰掛けられるようにホール係の人が何度も丁寧に椅子を引いたり押したりしてくれたのが印象的。そんなところにまで気を遣ってくれるなんて。
母の希望で、お昼のてんぷら定食(イ)の一番(5775円・サービス料別)をオーダー。活海老(2)、季節野菜(10)、赤出汁、御飯、香の物、抹茶アイスクリームのコース。
これに加えて、小柱のかきあげ、ミックスかきあげ、さつまいもも頼んだ。母がかきあげ大好きなんですよ〜。かきあげ頼みすぎ。
あとでわかったんだけど、コースの最後がコーンのかきあげで、続いて小柱のかきあげとミックスかきあげと来て、かきあげ合計3個。これが全部かなりのボリューム!! ひとつのかきあげで立派なかきあげ丼が一杯できるぐらいの大きさだった(笑) もちろん完食しましたけどね。フフフ。
では写真をダイジェストで。
活巻海老の頭。サックサク〜。こうばしい海老の香りが空腹に利く。ふだん食べている海老は尻尾や頭を食べると堅いところが口に残っちゃうけど、高級な天ぷらはきれいに砕けて残らないのね。
活巻海老本体。アチーッ。お塩をパラリとかけていただいた。山の上はカレー塩じゃなくて白い塩を出してくれるのだ。断然こっちがいい。海老は中がレアっぽくて甘エビのように甘い。シャキっというよりトロっとしている海老。衣はもちろんピシッとしてる。
ミョウガ。ミョウガの天ぷらなんて初めて食べた! こんなに美味しいなんて〜〜。独特の苦みのある香りと、揚げることによってタマネギのような甘さがほんのり加わっていた。
伏見唐辛子。辛味なしの大きい唐辛子。これも初めてだったかも。ネバネバしてないオクラみたいな感じ。青みのある味が天ぷらの衣と合わさると相性抜群。
小タマネギ。よくシチューに入れるようなペコロスよりは少し大きい。辛みがほどよく抜けていて、ホクホクの味。大きいタマネギのうまみを小さい玉にギューッと濃縮したような美味しさ。
茄子。胡麻油の美味しさをジュジュッと吸い込んだ茄子。このあとオクラ、ホワイトアスパラ、いんげんと続く。ホワイトアスパラは噛み口からアスパラエキスがニジニジっと染み出していた。甘くて美味。いんげんは、細身のものを束ねて大葉で包んでから揚げている。とても香りが良い。
ハス。ハスってこんなに甘くて美味しいんだろうか。サクサクと良い歯ごたえ。他のタネより少しだけ衣を厚めにしてあったような気がする。もしかしてタネによって衣の厚さを変えているのだろうか。
アスパラ。今はまさにアスパラが一年で一番美味しい時期。最高のところをカリッと揚げてバクッと食べました。甘〜い。そして山菜のようなほろ苦さが少しだけ香るのですよね。まさに大地の恵み。大ごちそう。
コースの締めは、コーンのかき揚げ。ポロンポロンのシャキシャキで、なんだか生のまま食べているようなイキイキした味だった。目の前に置かれたとき、「わあ巨大、食べきれるかな?」と思ったけど、本当に美味しくてもっと食べたいぐらいだった。
追加オーダーの、小柱のかき揚げ。うんまい!!!! 小柱の味が濃いね〜。ずいぶん大きな小柱だった。それが惜しみもなくドサドサと目一杯入っている。こんなに厚みがあって大きいのに、中心まで全くボテボテ感がなく、どこを食べてもサクサクしていて、空気をふんわり含んでいる。まさに達人のワザ。
ミックスかき揚げは、天ばらにしてもらった。料理長さんが、天丼、天ばら、天茶から選べると言ってくれた。天茶も食べたかったけど、天ばらって食べたことなかったからなー。
恥ずかしいけど「天ばらってなんですか?」と聞いてみた。「かき揚げをばらばらにして塩を振ってごはんにまぜたものです」と教えてくれた。ふわー、うまそう。
食べてみたら、やっぱりすごく美味しかった。かき揚げの中身は海老がほとんどで、野菜が少しだけ。贅沢なかき揚げだなあ。
ミックスかき揚げと聞いて、私と母がイメージしたのは、にんじんとたまねぎと桜エビのかき揚げ。運がいいとイカゲソが入ってる。ああ、それってサービスエリアのかき揚げ蕎麦ですね(笑) 全然次元がちゃうやんけ。
母は小柱のかき揚げを天丼にしてもらった。天丼は甘口と辛口から選ぶことができて、母は甘口。味見させてもらったら、上品な甘口のタレで、伝統の味の深みを感じた。
ごはんものと一緒に出してもらった赤出汁と香の物がまたとても美味しくて! 特に茄子のぬか漬けはビックリするほど美味しかった。昭和40年代のおばあちゃんのぬか漬けの味。ぬか床が相当いい感じになっているんではないかと。これはどこにも真似ができないでしょう。
スペシャルオーダーのさつまいも。これぞ山の上ホテルの味。死ぬまでにこれを食べてみたかったんだ〜〜。大根ほどもある太いさつまいもを8センチぐらいの長さに切って、じっくり低温で揚げたもの。
タテに4つに切り、母と私に2切れずつ置いてくれた。いや〜〜、この大きさ。この切り口のホクホク感。すごい。すごすぎる。テンションマックス。
「ブランデーを切り口に振りかけてお召し上がりください」と言われた。ブブブブランデー。オシャレだなあ。私お酒飲めないけど平気だろうか。ためしにちょっとだけ振って食べてみたら大正解。お酒の匂いなんて全然気にならなくて、上等な洋菓子を作り立てでいただいているような贅沢な味。素晴らしい。
聞けばこのさつまいも天は、作るのに30〜40分はかかるのだそうだ。だから最初にオーダーしないと急には出てこない。
20分ぐらいで火は通るのだけど、そのあとじっくり10〜20分間熱を加えることで、ホクホク感と甘みが増すのだとか。外はパリッとクリスピー。中身はホクホクで甘みの宝庫。でもベタつかずホックリしていて身離れがいい。
よく食べた〜。でも最後のアイスクリームは別腹。母は抹茶アイス。私は甘夏アイス。心ゆくまで天ぷらを堪能できて幸せな気持ちになれました。感謝しております。
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コメント
ハイ!
わたくしも死ぬまでに一度訪れたい店ベストテンに入っております☆
山の上ホテルって家族と訪れるのにちょうどいいですよね。
お母様もお幸せですね!!
あのブランデーをかけるサツマイモ是非いただきたいです♪
投稿: nanako | 2009.07.02 01:27
うををを〜!!明日にでも食べにゆきたいーーー!
かつて野菜のてんぷらがおいしいと思えるようになった日、
「大人になったな…」と思いました。
浅草・中清の「雷神揚げ」もおいしいですよv
投稿: こぱんだ | 2009.07.02 01:41
nanakoさん
おおっ、ベストテン入り!
わかります〜〜、私もずっと憧れておりました。
何年も培ってきた憧れの気持ちを裏切らない
見事なお味でしたよ
nanakoさんもいつかブランデーかけちゃってください
こぱんださん
私もまた明日も食べに行きたいぐらいです(笑)
浅草・中清!
うちの母が父と二人で行ったことがあるみたいで、
すごく美味しいって言ってました。
私も行かなくちゃ〜〜。
投稿: ワジョリーナ | 2009.07.02 03:26
とってもおいしそ~
みょうが大好きなので、気になります。
コーンの天ぷら、おいしいですよね。
札幌に居た時に友人に教えてもらいました。
札幌ではポピュラーのようですが、こっちではどうなんでしょ?
私は友人に聞くまで知りませんでしたが。
甘みもでてぷりぷりで~。
想像するだけでやばいです。
投稿: ひさえ | 2009.07.02 16:15
なんすかコレはっ!!ずるいずるい
ヨダレ出てきた。
そして写真がウマい。笑
投稿: まーたん | 2009.07.02 22:08
ひさえさん
コーンの天ぷらは初めてでした!
札幌ではポピュラーなんですね。
こんなに美味しいなら、もっと東京の人も食べるべきですね!!
まーたんさん
グハグハ。ぬけがけしちゃった(笑)
写真わりとリアルに写っててよかった。
臨場感(笑)
投稿: ワジョリーナ | 2009.07.03 04:57