十勝川温泉 三余庵。二日目の夕食。
十勝川温泉 三余庵にて、二日目の夕飯。この日は私一人にもかかわらず、個室をまた取ってもらえた。とても嬉しい。
二日目のほうが写真がきれいに撮れた気がする。心なしか、昨日よりも見栄えのする器と盛りつけにしてくれたような・・・。
昨晩、食事をしたときに「一眼レフ買ったばかりで練習中なんです。なかなかうまく撮れなくて大変」ってお店の人に言ったのを思い出した。もしかするとそれで、きれいに見えるように考えてくれたのかも。そうとしか思えない。本当に親切だわ、三余庵さん。
この日のラインナップは、食前酒、先付、前菜、凌ぎ、お椀、お造り、焼き物、蒸し物、酢の物、お食事、甘味。それプラス、料理長から毛蟹をサービスしてもらってしまった。
この毛蟹は一体なぜ。私が昨日、ものすごい勢いで大食いをしていたからか、連泊したお礼なのか、一緒に行ったたかちゃんが顔なじみだからなのか、日中ちょっとしたミスがあったのでお詫びのしるしなのか。なんだかわからないけど嬉しい。ツイてる。
この日は一人だし、お酒も飲まないので早いスピードで食べたいなと思っていた。そうしたら言わなくても昨日よりずっと早いスピードで料理を持ってきてくれた。このへんの呼吸がすごい。
お酒を飲めない私のために、食前酒もゆずサイダーにしてくれた。ありがとう、料理長さん。
写真はコースの中から抜粋でお見せします。
先付「帆立と長芋の梅ドレッシング掛け」
食べるのがもったいないぐらいきれい。青い器に薄紅色のドレッシングが美しく映えていますね。上にちょこんと乗っているのはキャビア。帆立と長芋は形を揃えて4段重ねぐらいになっていた。
前菜「蝦夷鮑酒蒸し・北海しまえび・十勝産チーズ豆腐・ホヤ塩辛・白身の南蛮漬け・三余卵・ゆり根黄味焼き」
すごい。どこから食べていいのか迷うほど彩り豊かです。鮑がビックリするほど柔らかくフワフワで、小気味良い貝の味がした。鮑の磯臭さが苦手な私も、これなら美味しい。ホヤの塩辛がすごく美味しかった。何かいけないものを食べているような気がするほど大人の味。子どもには毒(笑) そしてチーズ豆腐、超うまい。クリームチーズとお豆腐が両方の良さをバランス良く引き出していた。
凌ぎ「牛肉と竹の子のお寿司」
かなり霜降りのところをペロッと一口で! お肉の脂と竹の子のキリリとした気品がマッチして贅沢この上ない。ごはんには白ごまがまぶしてあった。グッドコンビネーション。
お椀「釧路産目抜の荒汁」
おおおおお美味しいっっっ。アラといっても雑味や生臭さの全くないきれいな白身だった。骨は難なくきれいに取れる。このアラの出汁でにんじん、じゃがいも、大根に良い香りが移っていた。お味噌の濃さも完璧。
お造り「函館戸井産本鮪・釧路産ぶどう海老:釧路産目抜・真つぶ」
ぶどう海老がいい色ですね。フォトジェニック! 本鮪は中トロのところが来ました。うは〜、溶けるぅぅぅ。ツブ貝もコリコリしてて美味。目抜も淡泊でありながら主張してくる味で、中トロに負けないぐらいの存在感。
おまけ「活き毛蟹」
身がみっちりの毛蟹。蟹味噌もたっぷり。レモンなんてつけたらもったいないぐらい香りも味も良くてすごく甘い。蟹味噌も臭みがなくて、とろけるようにクリーミー。こんなに鮮度の良い蟹を生で食べられるのは北海道だからこそ!
焼き物「十勝黒毛和牛ロース炭火焼き」
焼き物はお魚もあったけどやっぱりお肉にしちゃった。ミディアムレアの黒毛和牛に、たっぷりのルッコラ、クレソン、ネギ、トマト。野菜が苦くなくて食べやすい。お肉と交互に食べると食欲が増す。
手前に並んでいるのはステーキソース5種。左から、ゆず大根、生わさび、ごぼうのバルサミコソース、ワインポン酢、ガーリックチップ。
真ん中の黒いソース=ごぼうのバルサミコソースが超美味しい。創業以来、毎日つけ足して作っているオリジナルのソースなんだそうだ。すりおろしたごぼう、にんじん、たまねぎ、にんにくなどの野菜をバルサミコで煮てある。
バルサミコの酸っぱさが抜けて芳醇な香りとコクだけが生きている。そこへ野菜の甘みが加わって深みのある美味しさが完成している。このソースが大好評で、おみやげに売っているので当然買って帰った。
黒毛和牛はサシがけっこう入っていても脂がしつこくなく、最後の一口まで変わらぬ美味しさ。コース料理のお肉としては量的にも多く、満腹感が得られた。
お食事「かに雑炊・赤出汁」
かにの大きな身がいっぱい入った雑炊。心もあたたまる優しい味。気取った感じでなく、「あったかいもの食べて元気になってね」と語りかけられるような真ごころの味。あったまりました〜〜。
お夜食「おにぎり」
昨日のおいなりさんがまた来るかと思ったら、この日はおにぎりだった。おにぎり大好き。うれしいな。具は梅おかか。酸っぱくない円い味だった。
あ〜、全部美味しかった。あまりにも美味しくて、目をつぶってしみじみ味わってしまった。美味しすぎて目を開けていられない。人間はなぜ、とても美味しいものを食べると目を閉じるのでしょうね。
一人の夕食だったけど、全然退屈しないであたたかい気持ちで過ごせた。すべてにおいてさりげない気遣いがあって、心地よく過ごせた。三余庵さん、ありがとう。
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コメント
もぉ素晴らしいお料理の数々に読んでるコチラまでテーブルの前にいるような気分に浸れましたぁ
さすがワジョリーナさんの文章は引き込まれます♪
毛蟹が 毛蟹がぁーーー!!
もぉむしゃぶりたいくらい美味しそう!!!
「三余庵」さん 私もメモさせて頂きましたっ
それにしても ワジョリーナさんのグルメ旅行記 本にしてもいいくらいのクォリティ。このままにしておくのは実に勿体ないですって
投稿: 年齢不詳 | 2009.04.28 18:00
年齢不詳さん
わあ、ありがとうございます♪♪♪
美味しさがなんとか伝わったようで嬉しいです
三余庵さん、心からオススメです
グルメ本、いつか出したいですね(笑)
投稿: ワジョリーナ | 2009.04.29 03:22