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2009.03.30

青山劇場で「カゴツルベ」を観劇。(熱く語りすぎ(笑))

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R001048501青山劇場に、「カゴツルベ」を観に行きました。

歌舞伎の「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」を題材にした新作劇。三世河竹新七が100年も前に書いた、300年前の江戸吉原を舞台にした作品を現代風に大幅にアレンジしている。脚色・演出は、少年社中の毛利亘宏。

大学時代に歌舞伎フリークだった私は、六代目中村歌右衛門が演じた傾城八ツ橋を何度か見ている。もう20年以上前の話だ。籠釣瓶というストーリーはかなり忘れてしまっていたが、歌右衛門が演じた八ツ橋の凄みは記憶の深いところにまざまざと残っている。

今回、カゴツルベを見て「こんな話だったかな?」と思い、家に帰って調べてみたら、やっぱりかなりアレンジされていた。現代風でドラマチック。山場がいくつも重なり、観る人を飽きさせない。

登場人物の性格や思考回路も、原作のドロドロ感を若干サラリと若い感覚に変えてあるように思った。昔観た籠釣瓶の、どうしようもなく重苦しい感覚を思い出した。あれは歌舞伎の俳優さんがやるからいいんだよなあ、きっと。

客席は、主演の安田章大さん(関ジャニ∞)のファンと思われる二十歳前後のお嬢様方がほとんど。見渡す限り、アラフォーは私しかいない(笑) しかし皆さんお行儀が良くて静かな方たちが多くて安心した。

私のお目当ては、傾城八ツ橋の間夫(秘密の彼氏)役を務める西岡徳馬さん。実力派で、セクシーで知的で、大好きな俳優さんです。

西岡さんの演技は非常に奥行きがあり、芝居に無限の広がりを持たせる。

その人物の人生の過去や、どんな時代に何を考えて生きているのか、その日その場所で何をしようとしているのか、一人一人の登場人物とはどんな距離感で何を思う関係なのか・・・。そういうディティールが、西岡さんのナリひとつ、台詞ひとつで全部クッキリ見える。

台詞を言っているときにも、その裏で頭に思い浮かべていることが、まるでテロップが出るように伝わってくる。彼が舞台裏にハケるときには、その先に建物や町並みが続き、夜が深まってゆくのが見える。こんなに表現力のある俳優さんを他に見たことがない。

しかもどんな役をやっても、人間としての色気が根底にある。簡単な言葉で言ってしまえば「魅力」。

今回演じた栄之丞という男など、花魁のヒモ同然のダメ男なのだけれど、ダメっぷりを滲ませるのと同時に、そんな彼に花魁がどうしても惚れて惚れて惚れ抜いてしまっている理由が確かにあるということを気配で感じさせるというウルトラ級の演技だった。それでいて重々しく芝居臭いわけでもない。若い世代の役者の多い舞台で、何の違和感もなく空気を共有していた。全く難しい役を軽々とこなす人だ。

そんな西岡さんにますますノックアウトされた私ですが(笑)、主演の安田章大さんの良さにも驚いた。

私はジャニーズのファンになった経験がなく、ジャニーズのタレントさんを全般的にあまりよく知らない。失礼ながら、安田さんのことも今回初めて知った。実力派の俳優さんたちの真ん中で、堂々たる主役ぶりだった。この若さでこれだけの存在感があったら、未来はもっと素晴らしいだろう。

歌舞伎では、見るからに気の毒な痘痕がボツボツと顔全体に描かれる佐野次郎左衛門の役だが、今回はトカゲのタトゥーのような美しいメイクが右頬に描かれていた。編み込みの髪型がよく似合い、ジャニーズとしての見せ方を知っている人ならではのダンスもかっこよかった。

傾城八ツ橋を演じたのは、モデル出身の藤澤恵麻さん。本当にお綺麗。歌右衛門の、お歯黒まっ黒で怖ろしいほど女の凄みのある八ツ橋とは全く別人の八ツ橋だったけれど、それが今回の八ツ橋なんだと思う。なんというか、現代人にも共感できるところを持つ一人の生身の女性としての、強さと悲しさを感じた。

今回の舞台に立った俳優さん、女優さんたちは実に見事な実力派揃いで、呼吸もカンペキ。テンポの狂うところがなかった。生の舞台でここまでできるなんて! 

また、舞台セットの転換もリズミカルで面白い。奥行きと天井の高さを活用して、立体的でアニメーション的な動きをしている。非常によく計算されていて美しい。舞台転換自体が完成度の高い表現になっている。

約2時間半のステージを、全く飽きることなく食い入るように夢中になって観ることができた。ラストは全員総立ちのスタンディングオベーション。お約束的なものでなく、この日のステージは、舞台の上の人も、観客席の人も、立ち上がって喜びを伝え合わずにはいられない感動が確実にあった。このステージに巡り会えたことを、心から幸運に思った。

2009/5/24〜6/7には、世田谷パブリックシアターで「江戸の青空」というお芝居があります。西岡徳馬さんが主演! 期待せずにはいられません(^^)

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