軽井沢2日目。カフェ・ドゥ・モロッコでクスクスのランチ。
寝心地のいいシモンズの巨大ベッドのおかげか、2日目はものすごい早起きができた。朝7時、朝食バイキングのスタート時刻ピッタリに入場。ネット情報によると、7時半を過ぎると行列になるという噂。
今日はごちそうのランチを予約してるから控えめにしようと思いつつ、和洋食ガッツリ2人前食べてしまった。ははは。
内容的にはスタンダード。焼き鮭、きのこソテー、ミネストローネなどが美味しかった。冷食っぽくなく手作り感のある味。手作りのパンやジャムも良い。
お部屋で一休みしてから、ゆっくり支度をしてホテルを出発。今日は軽井沢駅からしなの鉄道に乗って御代田に行くのだ。旅情あふれるボックス席に一人で座り、高原の景色を眺めて進む。
軽井沢駅を出て、中軽井沢駅、信濃追分駅、御代田駅。4駅目で降りる。約15分で到着。
信濃追分には大学時代に何度か来たような気がする。ゼミの先生の別荘があったんだ。
お店も何もなくて、延々と片道30分ほど林の中を自転車で走って買い出しに行き、「軽井沢って何もないの!?」と思った記憶がある。整備されてない林道を走るのがあまりにもきつくて、私は泣いてしまった。若かったのう。
さて御代田に着いて、駅前からタクシーに乗る。「カフェ・ドゥ・モロッコまで」と言ったら、運転手さんご存じでなかった。まだ1年前にできたばかりのお店だから、地元でも知らない方がいるようだ。
「大浅間ゴルフクラブの近くです。御代田町塩野北山3247-13」と言うと、地図に「モロッコ」と書いてあるのが見つかった。運転手さんはとても親切な人で、「今度ここに行くときは、ノロっていう有名なレストランの手前だって言えばきっと誰でもわかるよ」と教えてくれた。
御代田駅から車で約10分。タクシー料金は1500円。ランチは一人でもOKで、夜は2名からの予約制。満員になることが多いようなので、ランチも予約したほうがいいです。
今日の私のランチは、林の中の一軒家「カフェ・ドゥ・モロッコ」でいただくモロッコ料理。
「9月に軽井沢に行くんですよ」とお話したとき、林田レジリ浩文さんが教えてくださったお店なの。レジリさんと好きな食べ物の話をしていて、感覚が似てるなと思ったので、ズッポリ信用して予約した。
大正解でした! 本当に美味しいお料理。最高に素晴らしい環境。そしてとても魅力的な女性オーナーさん。
私よりずっと年下のチャーミングなオーナーさんがお一人で、踊るようにキッチンを使いこなし、心のこもった料理を提供してくれる。
オープンキッチンになっていて中がよく見える。プロの厨房というよりも、ものすごく料理上手なセンスのいい女性が磨き上げた大切なキッチンと呼ぶほうがふさわしいような気がした。もちろんこれは最大のほめ言葉です。
そういえばこのお店、入ってくるお客さんがみんな「こんにちは〜」って言うの。お店なんだけど、お家におじゃまするような感覚がするのよね。
テラス席に座ると、このお店の敷地と思われる野草と花の庭が眼下に広がり、その向こうにはお隣の大きな畑が見える。
左右には雑木林。高原の風が吹き抜け、太陽の光が心地よく降り注ぐ。モロッコちっくな石造りのテーブルで、ミントの葉が入った冷たいお水をコクリと飲むだけで、体のすみずみまで幸福感が行き渡るよう。生きてるって素晴らしいね。
ランチメニューは5種類。「クスクスセット(2100円)」「ファラフェルセット(2200円)」「アラブサンドイッチセット(1750円)」「モロッコオムレツ(1600円)」「タジンセット(3250円)」
タジンセットだけ要予約。これはモロッコでは毎日のように食べられる土鍋煮込みなんですって。じっくり時間をかけて、野菜とお肉をスパイスで煮るお料理。美味しそう。予約すればよかったかな。
よーく考えて、私はクスクスセットを選んだ。食後にはざくろジュースを。
食い意地の張っている私が「他に何かちょっと追加して食べられるものはありますか?」と聞いたら、「クスクスだけでかなりおなかがいっぱいになりますよ」とのこと。ほんまでっか! 私、クスクスでおなかがいっぱいになったことないけど大丈夫かな〜などと思う。
クスクスはモロッコでは金曜日にだけ食べられるごちそうなんですって。ツブツブのパスタに、野菜たっぷりのスープをかけて食べます。
クスクスの前に、最初に出てきたのがモロッコスープ。「レモンを搾ってからどうぞ」と言われた。オレンジっぽいけど、これがモロッコのレモンなのかしら。
お味はもう、本当に美味しい。トマトベースの優しい味。中身は豆と野菜と溶き卵かしら。さらっとしたオイルの風味も良い。なんでこんなに美味しいのでしょう。この景色と空気の味のせいもあるのかなあ。すごく素朴な味なんだけど、底深い味わいを感じた。
続いてクスクスが登場。デ、デカイ!! お皿が直径30センチぐらいあったかしら。そのお皿にクスクスがぎっしり。上からかかったスープは具だくさんで、スープという概念を超越した量。唐辛子ペーストをお好みでつけて食べます。
一口目でズキューンと心を射貫かれた。実に美味しい。クスクスってこんなに美味しいのか。知らなかった。
なんでしょうね〜、この味は。全然押しつけがましくなくて、ほわ〜っとした味なんだけどスゴイ。鼻に抜ける匂いもかぐわしい。穀物の風味と野菜の出汁と少々のバターの香り? いいですねー。
上にドサドサ乗ってる具材は、野菜も鶏肉もすべて大ぶりにカットされたあと、スプーンの先ですぐに崩れるほど柔らかく煮込まれている。かといって溶けだしてグズグズにはなってない。プロのテクニックを感じた。
鶏肉、にんじん、キャベツ、かぼちゃ、茄子、トマト、香菜。いいお味です。地物の高原野菜ってやつなのかな。みずみずしく力強い味。普段の私は野菜が嫌いでほとんど食べないのに、こんなに美味しいと満面の笑みをたたえて食べられるわ。
オーナーさんが言った通り、もしかして食べきれないかもと思うほどおなかいっぱいになった。もちろん全部食べました! 最後の一口まで美味しかった。
食後のざくろジュースはキリっと引き締まった味。体に良さそう。
私が食べ終わる頃には店内は満員で、家族連れを中心ににぎわっていた。老夫婦と成人した子供という組み合わせが多かったなあ。味のわかる大人のお店なのかも。
至福の時間を過ごせました。林田さんありがとう。
(つづく)
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