ルソーの見た夢、ルソーに見る夢
ココログが長時間メンテナンスを実施したため、記事を2日分まとめて投稿します。
世田谷美術館に、アンリ・ルソーの展覧会を見に行った。「ルソーの見た夢、ルソーに見る夢」と題され、ルソーの作品と、ルソーに影響を受けた日本人美術家たちの作品が展示されていた。
ルソーは私が小学生の頃から大好きな画家だ。勉強机にルソーのポストカードをいつもはさんでいた。当時の私は、文房具屋さんで、気に入ったポストカードがあると父に買ってもらっていた。描いた人の名前もわからずに買っていたのだが、少しローマ字が読めるようになってから確かめたら、ルソーの作品が多かった。「ルソーっていう人の絵はどうしてこんなに素敵なのかしらっ」と、子どもながら興奮したものだ。
そんな憧れのルソー。今回のようにまとまった形で見るのは初めて。今年はルソーも見れたし、クレーもデュフィも展覧会に行けて本当に良い年だったなあ。来年の希望としては、ニコ・ピロスマニとポール・デルヴォーが見れたら文句ない。
今回の展覧会は、ルソー本人の絵が23点と、やや少なめだった。それでも存在感は抜群。心を揺さぶる絵を見ることができた。「フリュマンス・ビッシュの肖像」の裏話に感動。
この絵はルソーが想いを寄せていた女性への贈り物。彼女は警察官のフリュマンス・ビッシュと結婚したが、結婚1年目で勤務中に暴徒に襲われた夫が亡くなり、嘆き暮れる彼女を慰めるために描いた絵なのだそうだ。額装にまでルソー自身の筆による草木の装飾が施され、彼の優しさが染み入る。きっとすごく優しくて繊細な人だったんだろうね。
彼はパリ市の税関に20年以上勤務しており、40歳から日曜画家として独学で絵を描いていたんだって。49歳で退職して画家に専念。だが生きている間にはゴーギャンなどのごく一部の先進的な画家たちの他に彼の作品を認める人はいなかったのだそうだ。知らなかったなあ。
ルソーに影響を受けた日本人画家の作品の中では、有元利夫の「一人の夜」という絵が素敵だった。なんとなく寂しい気持ちになる絵。寂しいけど気持ちいい。変な感じ。いい感じ。
今回のルソー展は、今度の日曜日までです。またギリギリだった。危ないところだったぜ。
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コメント
私もルソーは一番好きな画家さんです。就職活動まっさかりの頃、大阪から日帰りで東京で開催されたMOMA展を、ルソーの「眠るジプシー女」目当てに見に行ったくらい大好きです☆
世田谷美術館も行きましたよ~。あそこは美術館の雰囲気もこじんまりとしてよかったので、ゆっくり楽しめました♪
投稿: ともみ | 2006.12.08 15:18
ともみさん
おーっ、日帰りで美術館とは、すごい情熱ですね!!
「眠るジプシー女」は、横尾忠則のパロディバージョンが展示されてました。
投稿: ワジョリーナ | 2006.12.09 04:27